メルセデスE220dクーペがフル・モデルチェンジ 先代、そして現行セダンより楽しいのか?

公開 : 2017.03.14 12:18  更新 : 2017.05.13 12:48

■どんな感じ?

実にいいクルマだ。先代よりもドライバーへのアピールに勝り、現行Eクラス・セダンより走りに熱中できる。

このE220dは、動力性能も運動性能も過剰ではないが、むしろ適切なスピードと、穏やかにドライバーを引き込む良識的な感覚は、メルセデス・ベンツが想定する顧客層に間違いなく訴求するだろう。

旧E220dのエンジンは鋳鉄ブロックの前世代ユニットで、トランスミッションは7速ATだった。新型のアルミ・ブロック新世代ユニットと9速ATのセットとなるドライブトレインは、旧型より洗練されている。

加速はスムーズで、低回転域でも豊富なトルクを利して優れた反応をみせる。変速は爽快かつ適度に速く、それはフル・スロットル時でも変わらない。20ps以上アップし、ステップ比が接近したこともあり、0-100km/h加速タイムは7.4秒と、先代より1.1秒短縮した。

また、高速道路の巡航速度レベルでは、驚くほどリラックスして落ち着いている。しかし、燃料タンク容量が16ℓ減って50ℓになっていることを忘れてはならない。燃費は25.0km/ℓへ1.7km/ℓ改善されたが、航続距離は先代より短くなっているのだ。

運動性能に関していえば、あらゆることが予想通りだ。シャシーのエンジニアリングは素晴らしいまでに完璧で、あらゆる路面状況に十分すぎるほど適応する。

しかしながら、試乗車に搭載されていた4WDシステムは、必ずしも活発な走りをもたらすものではなく、おそらくメルセデスがユーザーにそう思わせたいほどには楽しめるものでもない。

グリップ特性は、豊かなロード・ホールディングを確約してくれる。ターン・インでは進んでコーナーへ入っていこうとするようなフィーリングで、ステアリングの手応えはコーナリング・フォースの増加に対抗して適切に強まっていく。

しかし、電動アシストのステアリングは穏やかなハンドリング特性を目指したチューニングで、スポーティなクーペに期待されるほどダイレクトではない。

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