ジャガーI-PACE、ジュネーブでコンセプトを初試乗 価格未定も2018年には発売か

公開 : 2017.03.17 11:41  更新 : 2017.05.29 18:37

2018年にはモーターショーで製品版がデビュー 順次デリバリーへ

今回はほんの短いデモ走行だが、その合間に充電するのがひと苦労だと、気のいいスタッフが話してくれた。テストカーのバッテリーがどれほどの容量なのかはわからなかったが、試乗は200m弱の舗装路を数回往復する程度だった。

しかも、2基あるはずのモーターは1基しか積まれておらず、最高速度も80km/hに制限されていたのだ。これでは、走りがどうこう言えたものではない。

それでも、スタンディング・スタートに苦心することはなかった。多くのEVがそうであるように、わずかなペダル操作にも即座に反応し、すぐに実用的な速度まで到達する。

まるで、1トン程度のコンパクトカーのようにフレキシブルだ。車両重量の発表はないが、テスラモデルXとそうは変わらないだろう。試乗車の出力が本来の半分であることも考慮すれば、完成型の0-100km/h加速は4秒前後といったところになるのではないだろうか。

ステアリングは重く、乗り心地は硬く、ノイズも大きい。しかし、それらはコンセプトカーを走らせているからだ。

はっきり言ってトロリー・ジャッキに乗っているような感覚だが、これは23インチもの巨大なタイヤによるものだろう。ステアリングやブレーキも、まだ調整がなされていないようだ。

その辺りは、市販車ではまったく違ったものになるはずで、かえってジャガーの現行モデルたちが、どれほどの努力によって完成させられているかを知る、いい機会になったともいえる。

I-PACEのサスペンションはダブル・ウィッシュボーンとインテグラル・リンクのセットで、これはXE/XF/F-PACEと同じもの。

それらはいずれも、AUTOCARの「うるさ型」テスターを唸らせるハンドリングの持ち主だ。これにフロアに配置したバッテリーによる低重心が加わるのだから、素晴らしい走りになることは約束されているようなものだ。

I-PACEの量産バージョンは、2018年内にいずれかのモーターショーでデビューを飾り、順調にいけばデリバリーも開始する予定だ。

なかなかに野心的なスケジュールではあり、はたしてどれほどのセールスとなるのかは未知数だが、確実に言えるのはこれが市販されるということである。

それまで1年ほどの間、ジャガーのエンジニアたちが様々な技術を投入し、最終仕様へと徐々に煮詰めていくのを心待ちにしようではないか。



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