【前編】歴代最高のVWゴルフGTIを探せ 初代/2代目/5代目/7代目が集結

公開 : 2017.07.16 12:10  更新 : 2017.07.17 12:52

30年前、初代GTIで感じた「ほかとの差」

ゴルフGTIは、ひとびとが必要とする実用性と、欲しいと思うパフォーマンスを兼ね備えているのである。

この場合の「ひとびと」とは、アウトビアンキA112アバルトの良さを興奮混じりに説明しても、「それ、どこのクルマ?」というような反応しか返さないようなひとびとだ。

実際、誕生した頃のゴルフには、同時期のイタリア/フランス車にないものがあった。

スポーティなクルマの生産クオリティが低かった頃、走りは熱いが、錆の温床のようなクルマはザラにあったので、天候の悪いときに走るのはためらわれた。しかしゴルフは、実用性と楽しさに加え、傷みにくいボディシェルも備えていた。

30年前、すでに古びていた初代GTIに乗っていたのだが、これで友人のとあるホットハッチとスコットランドへ走りに行ったことがある。

夜中に冷え込み、朝が来るとそこには、おのおののホットハッチのかたちをした氷の塊があった。友人たちはチョークをいじり、ペダルを何度も踏み込み、キーを何度も捻るのだが、エンジンはいっこうに掛からず、あとは悪態を吐くほかできることがない始末だった。

わたしはそれを横目にGTIへ乗り込むと、おもむろにイグニッションキーを差し込み捻る。すると、インジェクション仕様のエンジンはすぐさま目を覚ました。あとはデフロスターのスイッチを入れて、凍り付いたガラスの始末をクルマに任せて、朝食を取りに宿へ戻ったのである。

初代の発表から40年以上、ゴルフGTIは7代を数えるまでになった。いまこそ、どの世代がベストなのかはっきりさせたいというのが、今回の趣旨である。

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