現役引退間近 技術よりも「情」なパフォーマンスモデル一気乗り(後編)

公開 : 2017.09.10 20:10  更新 : 2021.03.05 21:35

メガーヌ含め「形あるものはいずれ土に」

現行型メガーヌは2010年に発売が開始されたが、7年後の今、同じくFFでほぼ同価格となる素晴らしいドライビングが可能なホットハッチが現れた。

しかしその最新のホンダシビック・タイプRを持ってしても、メガーヌには及ばないのだ。

カップSの名称にはそれなりの理由があるのだが、ポルシェのGTを連想するのはわたしだけではないだろう。乗り心地は固くシートはリクライニングできないので長距離旅行には向かないが、ワインディングに入った途端どれだけ素晴らしクルマなのか気づく。

装着するブリジストン製のタイヤは超高性能タイヤではないが、メガーヌとの相性は良くセミ・スリック・タイヤのように感じる。

強力なグリップにくわえ、非常に運動性能に長けた自然なバランスに仕上がっており、クルマの中心を軸に軽快に向きを変えていく。

コーナーを抜ける際、外側のリアタイアがクルマを持ち上げている感覚があり、フロントに荷重を掛けながらラインを確実にトレースする。

また走行モードをRSに切り替えると、アクラポヴィッチ製のマフラーはまるでラリーカーのミスファイアの様な弾けた快音を周囲に響かせてくれた。

そして終わりの時が来た。形あるものはいずれ土に帰るものだ。

しかしクルマたちは今、大地の上に存在している。このクルマたちが永く生き続けられるよう、希望を込めて。

素晴らしい走りをありがとう。

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