高級SUV対決 ヴェラールとドイツの強敵、Q7/カイエン 後編

公開 : 2017.09.24 15:40  更新 : 2021.04.13 18:04

レンジローバー期待の新星であるヴェラールが、ドイツのプレミアムSUV勢を迎え撃つ比較テストの後編です。V6ディーゼルのヴェラールは、V8ディーゼルのカイエンや3列フルサイズのQ7を向こうに回し、元祖SUVブランドの底力を見せつけることができたのでしょうか。

もくじ

前編
エンジン音より聞こえてくるのは?
6気筒で名誉挽回なるか
ヴェラールの値付けやいかに
装備内容に見合った価格設定
快適性にもサプライズ
変わらぬ質感と変わる雰囲気

後編
孤高の価値を示すカイエン
ドライバーズカーとしては一歩譲るが…
高級SUVらしさには明確な差が
カイエンの走りはまるでスポーツカー
忘れられるのにはワケがある
みごとに名誉挽回

孤高の価値を示すカイエン

カイエンのインテリアに目を向けると、これはヴェラールとQ7のいずれとの比較にも堪えない。たしかに、完璧なまでに快適で、NVH対策も上々だが、このテストのまさしく当日に新型が発表され、型落ちとなった6年選手であることを、見た目でもフィーリングでも痛感するばかりだ。

とはいえ、違う理由においてカイエンには、このテストでの確固たる存在意義が見いだせる。エンジンをかけた途端に発せられる、率直で、深みと威圧感のあるV8ディーゼルのサウンドや、ペダルやステアリングコラムに伝わる控えめながらも隠せない振動が、そのヒントを示す。これは、ほかの2台とは毛色の異なる、熱狂的で、しかし非常に好ましいクルマなのだ。

それは、高級SUVの文法からは外れるかもしれない。一般的なそれよりうるさく、粗が目立ち、重く、運転がきつく、トランスミッションや操縦系のしつけが悪い。だが、初代の登場から丸15年を経ても、ドライバーズカーとしての魅力はやはりライバルたちの追随を許さない。

それは、ヴェラールが登場しても変わるものではないのだ。おそらくレンジスポーツSVRを除けば、ここまで速く、バランスがよく、敏捷で、よくできた後輪駆動のスーパーサルーン並みに楽しめる大型SUVはないだろう。世代が変わっても、それだけは揺るぎない事実だ。

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