ロードカー、本当に公道を耐えうる? フォードGT vs ラディカルRXCターボ vs 911GT3 RS 前編

2017.11.11

911GT3 RSだって安楽ではない

もちろんポルシェの方がより躾けられ、運転も容易であろうことを期待してだ。フォードに比べればより小さく、乗り込むのも簡単で車内からの視界も良い。しかしより静かかと聞かれれば、全くそんなことはない。

RSのエンジン、トランスミッションそしてリア・アクスルからは盛大な騒音が発生し、車内は世界最高の耳栓を試すのには絶好の場所である。

これは多くの要素が交じり合った結果だ。

911のリア荷重偏重は通常よりも幅広のリアタイヤを要求し、更には通常あり得ない程固めたリア・サスペンションのセッティングも必須だ。

RSの様なクルマを作るには、全ての遮音材を取外したうえで、この騒々しいが切れ味鋭いエンジンと、ボディを保護するロールケージの組み合わせが必要であり、その結果として騒音はつきものなのだ。

雑多な種類の盛大なノイズである。フォードGTのサスペンションも鋭い突起を踏んだりした時には騒音を発して、ロータス・エリーゼの乗り心地を思いださせるかも知れない。しかし911GT3 RSの乗り心地は、いついかなる時も騒音に満ち溢れているのだ。

ポルシェのこの騒音も、全てが素晴らしく髪の毛が逆立つようなドライビング体験とのパッケージだと思えば、受け入れる気になるだろう。

つまりGT3 RSは、トム・クリステンセンやマックス・フェルスタッペンといった一部のドライバーを除いた誰もが欲しがるサーキット・マシンなのだ。全く素晴らしい。

もしこの試みが、公道とサーキットの両方で同じくらいの興奮をもたらすクルマを探しだすよりも、ナンバー付き競技車両を運転するのにいくら払う必要があるのか、どれほど真剣に取り組まなければならないかを見定めるためのものだとすれば、勝者はGT3 RSだっただろう。

しかし、冷静な判断の結果として、この様なクルマを買う人がどれほど少ないかも思いだす必要がある。つまり、非常に多くのひとにとって、ポルシェというのは最後の選択肢だということだ。そして、その他のひとにとっては、どんな911でも特別な存在ではないのだ。

シルバーストンの翼の形をした新しいパドックを背景に、広大な駐車場の外れに3台を並べた。そして、ラディカルでの最初の走行を始めるべくシートベルトを締めた時には、ステッカーが貼られたフロントスクリーンに雨粒が落ちてきた。何たる幸運。(後編に続く)

 
最新試乗記