ロードカー、本当に公道を耐えうる? フォードGT vs ラディカルRXCターボ vs 911GT3 RS 後編

2017.11.11

フォードGTにうっとりするワケ

更にはタイトなジャンクションや狭い駐車場も避けるべきだろうし(このクルマの回転半径は7.5mほどに達する)、減速帯にも注意しなければならない(最低地上高は常に頭に入れておかなければならない要素だ)。

そして、もちろん悪天候は、神に祈ってでも避けなければならない。ダンロップ・ディレッツァのカット・スリックとABS無しの条件は、RXCのブレーキがウェットでは簡単にロックしてしまうことを考えれば、雨の日の先行車との車間距離に慎重に注意を払う十分な理由になる。

増えつつある交通量を避けるため、M1は迂回して給油することにした。コーヒー、水、甘いもの等々何か欲しいものはあるかと聞かれたのだが、「正直言って」思わず出た答えは「ここから出たい」というものだった。

俺はなんて軟弱な男なんだ。しかし、実際のところ、フォードとポルシェがこんな風に甘やかしてしまったのだ。

水曜日, 9.56am
ドニントン・パーク・サーキット

早朝の光の中、フォードGTのきらめくヒップに艶めかしく水滴が滴っていた。

B&Bを出発する前、その光景を眺めながらこのクルマを想像したり、このクルマに完全に魅了されることが無いようにと願いつつも、夢のような10分間を過ごした。

正にその存在そのままに、簡単にひとの心の中に入り込んで来てしまうのだ。

約1時間後、ドニントン・パークのレッドゲート・コーナーにある観戦エリアで撮影を行うために、砂利道のスロープを通過する必要があったため、ラディカルのフロント・スプリッターの取付位置を上げた。

黄色のフォードが最も高い位置に収まったが、練習走行らしきものを行っているミニ・チャレンジレースのドライバーからははっきりと見える位置だ。

われわれが駐車してからほどなくして、コーナー出口の人気の無い場所からミニのドライバーがひとりやってきた。

この男はスティーブ・ケイン。ベントレーMスポーツ・ブランパンGTレーシング・チームのワークス・ドライバーだった。

スティーブ・ケインはそのままボスの次期愛車を見た。

スティーブのボスはマルコム・ウィルソン。ベントレー・チームの運営を行う共に、WRCにフォード・フィエスタを出場させており、今年この新しいGTを手に入れることができた幸運なひとりである。

ウィルソンの参戦により、WRCでフィエスタが首位を走っていることに感謝したフォードが彼にGTを送ったのだろう。

 
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