試乗 アルファ・ロメオ・ジュリア・スーパー Cクラス/3シリーズへの戦法とは

公開 : 2017.11.13 11:20  更新 : 2017.11.13 18:05

2.0ℓ直4は好印象 操舵、初期がやや機敏

走り出せばエンジンは穏やかで力強く、軽く回り、変速はトルコンスリップをほとんど感じさせない小気味よさ。走行モードを「D(ダイナミック/スポーツ)」にセットすれば高回転を積極的に使ったパワー志向の制御となるが、吸排気音やエンジンフィールも含めてこれ見よがしなスポーツ性の演出は控えられている。ハイアベでも上品なパワーフィールである。

フットワークも概ね上品な味付けなのだが、ちょっと癖がある。荒れた路面でも粗さを感じる振動は少なく、高速コーナーでも落ち着いた挙動は高性能と快適性のバランスを取った大人っぽい味付け。

軽やかさを備えたしっとりとした乗り味は好感が持てるのだが、ハンドリング面で操舵初期の回頭反応が唐突なのが引っ掛かる。違和感を覚えたのはそこだけだが、そこだけだからこそ気になってしまう。

好意的に解釈すれば切れ味のよさであり、アクセルを開けながらステアリングを切り込むような乱暴な運転にも追従してくれる。しかし、操舵感やラインコントロールの据わりは今ひとつ。走行モードを操保舵力が軽い「N(ナチュラル/ノーマル)」や「A(アドバンスド・エフィシェンシー/エコ)にセットしている状態では神経質と思えるほど。操保舵力が重めの「D」モードで何とかバランスするが、ここは上品とも言い難い。スポーティなハンドリングを初期ゲインで演出しすぎと思えた。

まあ、スポーティキャラをどっしり安定のアウトバーンツアラーで押してくるドイツ勢に対して軽快なフットワークのアルペンツアラーで対抗しているとすればアルファ・ロメオの存在意義も高まる。ちょっと遣り過ぎの感も初めの一歩を印象付けるには悪くないだろう。

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