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驚愕と畏怖、オーテック・ステルヴィオ 日産とザガートの合作 試乗記

2018.01.08

オーテックとザガートの出会い

1986年に創立されたオーテックの商売道具は、ながらく日産量産車の改造と性能向上だけだった。しかし、この会社の初代CEOである桜井眞一郎は高邁な野望を抱いていた。ここで取り上げるクルマは、イタリア-日本合作の第1号である。

AZ1というコードネームが付いたこの冒険的なクルマのベースは、F31日産レパードである(米国市場ではインフィニティM30と呼ばれた)。ホイールベースとトレッドはR31モデルと同じである。

ステルヴィオのシルエットは、明らかに当時のアストンV8ザガートの影響を受けている。特にルーフラインはこの会社のアイデンティティである「ダブル・バブル」スタイルを踏襲している。

一方、ステルヴィオを他のエキゾチックカーと区別するのは、ボンネットに組み込まれたグロテスクな異物だというのは、衆目の一致するところだ。

日本車は、少なくとも日本で販売されている日本車の大部分は、フェンダーにミラーが付いている(ドアではなくて)。しかしこのクルマでは、ミラーは笑ってしまうほど大きい。まるでこぶのようだ。これはザガートの責任ではない。プロトタイプの段階で桜井から社長を引き継いだ人物から突き上げられたのだ。

このクルマのボディはアルミニウム製で、クラムシェル型のボンネットはカーボンファイバー製である。エンジン・ベイにはツインターボの2960ccV6が押し込まれ、元のレパードと比べるとパワーも少し向上している(258psから294ps/6000rpmに)。

ステルヴィオはラグジュアリーなグランツーリスモとして企画されたので、パワーはオーバードライブ付きの4速オートマティック・ギアボックスを通して後輪に伝えられる。

室内は旧来の意匠と新技術の単純なブレンドだ。スイッチやメーター類、最高級のオーディオ・システム(ボーズのラジオ・カセット・プレーヤーとソニーのCDプレーヤー)の周りにはウッドとレザーがあしらわれている。

 
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