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驚愕と畏怖、オーテック・ステルヴィオ 日産とザガートの合作 試乗記

2018.01.08

気になる操舵感と乗り心地は?

ターンインとアンダーステアは切っても切れない関係だ。少しリフトオフすると、ターボが立ち上がる前にさらに押し流されてしまい、その結果バンプストップに当たってしまう。

トランクに溜まった水とコンクリートを取り除き、小賢しいことはやめなさい。そうすれば、まったく世界が変わるはずだ。誰から聞いても、ステルヴィオは純粋な意味でリラックスできるクルーザーだということになる。速くて、望めば運転が楽しいクルマだ。しかし、望まなくても、ちっとも厄介ではない。

乗り心地は思ったより明らかに良い。大きなでこぼこでも吸収してくれる。手作りのクルマにも拘わらず、どこにも軋み音などはなく、とてもしっかりしている感じだ。風切り音も驚くほど小さい。

パワステの重さも軽すぎずちょうどいい感じで、前後ともベンチレーテッド・ディスクのブレーキは、ペダル・フィールも十分できちんとよく効く。しかしながら皮肉なことに、このクルマのトレードマークである巨大なフェンダー・ミラーはほとんど役に立たない。キャビンの中からどんなに調整しても、見えるのはリアのフェンダーだけだ。または自分自身か。見掛け倒しの欠陥品である。

しかしどれだけ多くを語ったとしても、そんなもの、このクルマにとってはなんでもない。ステルヴィオは大きく不格好な矛盾の塊であるが、それにもかかわらず、注目せずにはいられないクルマなのだ。

冷笑するのは簡単だが、そうすると本質を見失ってしまう。ステルヴィオは完全に不完全であり、醜いが魅力的で、目が丸くなるような楽しさに満ちている。それはどう見ても社会の日常性を打ち破るものだ。

 
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