レクサスLS 5代目に試乗 デザインと質感は最高、500hのエンジンは力不足

公開 : 2018.01.11 11:40  更新 : 2018.01.11 13:52

おもてなしも満点だが、弱点はエンジン

残念なことに、危惧した内容はおおむね当たっていた。LSへと向かい、ドアを開けて乗り込むまではドラマティックな瞬間に満ちている。ドアハンドルにはイルミネーションが点き、ミラー内蔵のスポットライトは足元を照らす。シートベルトは、バックルが自動で50mm上下し、装着しやすくしてくれる。シートのアジャストは28ウェイ、マッサージ機構は全身コースと部位別3コースの5通りが選べる。

インテリアは魅力的というのを通り越し、魅惑的とでも言ったレベル。ダッシュボード幅いっぱいに広がるのは、琴をイメージしたというマグネシウムのフィンだ。乗り込むまでの体験を重視するなら、これに勝るクルマはない。しかし、走り出すと様子が変わってくる。

最大の問題点は、明らかにエンジンだ。試乗車の車輛重量は2420kgと、同程度のパワーを発するV6モデルのアウディA8より500kg近く重い。その重量を走らせるには、エンジンを目いっぱい回さねばならない。

もしもこれが、素晴らしいサウンドのV12や、轟音を発するV8だったなら、それも望むところだ。ところが線の細いV6は、最大トルクの発生点が5100rpmと高い。4段+仮想6段の10段変速をもってしても、これはカバーできない。高速道路の登り勾配では、時として4000rpm以上回さないとペースを保てず、苦しげな音すら発する。

こう言っては何だが、ガソリンだろうがディーゼルだろうが、ターボユニットを積む主なライバルたちであれば、アイドリングより少し上の回転数から、静かで力強い加速をみせる。7万2595ポンド(1104万円)〜9万7995ポンド(1490万円)という価格のクルマに、この自然吸気V6がふさわしいとは言い難い。

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