高速ワゴン頂上決戦 アウディRS6パフォーマンス vs メルセデス-AMG E63Sエステート編

公開 : 2018.02.17 16:40  更新 : 2018.02.17 19:15


E63SはまるでGT-R

一例をあげると、E63Sのステアリングはきわめてソリッドで正確。一方、アウディはべっとりとして曖昧で気まぐれだ。メルセデスのフロント・グリップはとても粘り強く、しっかりと荷重を載せられるのでハンドリング・バランスはずっとニュートラルである。まるではるかに小型でずっと軽いクルマのようだ。E63Sなら持ちこたえるようなコーナーでもRS6は外に膨らんでしまう。

コーナーの出口でも話は同様。メルセデスは前後にパワーを振り分け、直線に向かって勢いよく飛び出していく。まるで日産GT-Rのワゴンだ。E63Sならコーナーの出口でフェイントをかけてパワー・スライドを誘発することも簡単。四輪駆動のワゴンでこのような挙動を示すクルマは皆無だ。無敵のワゴンである。

リアアクスルにスポーツデフを備えているおかげで、RS6もトルク配分が上手だが、E63のように予想外に俊敏で順応性が高いということはまったくない。この2台とも、直線では素晴らしく速く、そのサウンドは紛れもなくV8のものであるが、E63Sのエンジンのほうがより凶暴で鋭い。ともにグリズリーのようだが、アウディの熊は牙と爪の角が丸まっている。

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