電気自動車(EV)3台対決 日産リーフ vs VW e-ゴルフ vs ルノー・ゾエ

公開 : 2018.04.07 10:10

VW e-ゴルフとルノー・ゾエ

さて、リーフに立ちはだかるのは、フォルクスワーゲンのe-ゴルフとルノー・ゾエ。いずれも1kWhあたり30ペンス(44円)で急速充電が可能だ。この2台はリーフを価格で、いやもっと上品にいうならプレミアム性で上下からはさみ撃ちにする良いライバルだ。

フランスから来たゾエは、眉をひそめた荒くれ者みたいなおもしろい顔つきだ。でもデビューから5年もたつ今も、目をひくジルコン・ブルーに塗られたボディの小粋な雰囲気は、衰えていないし、これからもほかと同じようで違う独特な印象を与えつづけるだろう。スーパーミニの枠から抜いたようなクルマなので、スペックではほかの2台にひけをとるが、実用性と洗練性はさして犠牲になっていない。

今回テストに借りだしたのはQ90というグレードだ。価格は2万ポンド(296万円)を切るが、バッテリーのレンタル料として月額59ポンド(8700円)かかる。88psのパワーは上級のR90よりもわずかに落ちるが、そのかわり今われわれがいる充電ステーションの43kWの急速充電設備が使える。現実的な航続距離は241kmで、1時間強で80%まで充電できる。ちなみにリーフとe-ゴルフの80%充電にかかる時間は、それぞれ1時間弱と約45分だ。とはいえ、航続距離が193km程度しかないe-ゴルフは3台中いちばん脚が短くて高価ということになる。

ところで、いまの場所に長居はできない。このエコトリシティ社の充電ステーションは最大45分しか使えないのだ。まあ、あと少なくとも160kmのテストを行うにはそれで十分だ。

オーナーの多くは夜間に家で充電するのだろうが、満充電にはゾエで4時間、e-ゴルフで5時間、リーフで7時間半かかる。ガソリンスタンドへ週に2回出向くのとどちらが骨だろうか? 判断は皆さんにゆだねよう。

つぎに向かうのはチルターン。いい写真の撮れそうな場所があるのだ。もっとも、カメラマンのルック・レーシーの指がかじかんで動かなくならなければ、だが。

ここまで運転してきたゾエにくらべると、乗りかえたとたんにリーフは気のきいた感じがする。ゾエはある種オモチャっぽいところがあった。それはたしかに都市部での扱いやすさにつながるのだが、リーフは乗ったとたんエンジン車のように長距離を苦にしない感じをうけるのだ。もちろん、電動でなければこの2台はそもそも競合しえないのはわかっているが、リーフはふつうの小型ハッチバックからも違和感なく乗りかえられるのだ。

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