世界最速の量産ロードカー「マクラーレン・セナ」に試乗 英国価格は1億以上

公開 : 2018.05.08 10:10  更新 : 2018.05.24 08:59


スムーズだから引き出せる800ps

さらにセナの加速・減速性能を見ていこう。

720Sと比較すると、9%の最高出力アップと聞くと大したことがないように思えるが、吹け上がりはかなり鋭くなっているように感じられる。

恐らく、セナが発する800psの半分ほどの最高出力を持つクルマでも、スロットルを踏み込むには勇気がいるはず。しかし、不思議なほどスムーズで安心感があるから、思い切りエンジンを回すことも気にならない。このセナほど大きなパワーを簡単に引き出せるクルマに出会ったことがなく、比較対象がないから、大きな衝撃を受けなかったのだろうか。

この強力な4ℓV8ツインターボエンジンは、デュアルクラッチATを介して後輪を駆動させる。充分速い570Sと同じユニットをさらにチューニングしてあるから、直線の加速感はまさにワープ。

セナに近い最高出力を持つフェラーリF12tdfやアストン マーティン・ヴァルカンとも、異なる体験だ。800psと出会う方法は、パドルを引いて、炸裂するパワーの世界に飛び込むだけ。今回は出力を抑えるリミッターの制御が入るけれど。

その反面、加速だけではないさまざまな印象を、このクルマからは感じ取ることもできた。

まずはブレーキ。シングルシーターのレースカーは別次元としても、セナのようなブレーキを持つクルマには、これまで出会ったことがない。マクラーレンは200km/hからの停止を100mでこなせるとしており、制動距離はP1よりも16mも短い。しかし、超高速で走行している時に何かに突っ込むような場面での急ブレーキ以外、あまり意味をなすものでもないとも思う。

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