カーレビュー

2018.05.13

ロードテスト フォルクスワーゲンUp! GTI ★★★★★★★★☆☆

フォルクスワーゲンUp! GTI

テスト日 : 2018年3月21日

価格 : 1万4740ポンド(約221.1万円)

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

乗り味 ★★★★★★★☆☆☆

安定した乗り心地全般も、路面への順応性も、確かなグリップレベルや唐突さのないボディコントロールも、これまでのGTIモデルのそれは折り紙つきで、現代のいかなるハッチバックでも容易に超えられないレベルにある。それらを比較的ナローで背の高いシティカーに期待するのは、高望みだと思われてきた。

Up! GTIのライバルとなるモデルに乗ればわかるのは、この手のクルマのハンドリングに大幅な改善を求めるなら、いくつかの小さからぬ妥協が避けられないということだ。Up! GTIでも物理法則を曲げることはできず、ライバル同様の妥協はしなければならない。それと同時に、冴えを見せることもある。時折感じられるイキのいい運動性やドライバーが得る運転し甲斐のようなものは、他を補って余りあるほどだ。

乗り味は、まさにローダウンスプリングを噛ませ、サスペンションをどこか1カ所ではなくあちこち硬めた、ただしそれほど注意深く磨き上げたわけではないUp!といった感じ。典型的なカントリーロードを飛ばすと、せわしなく、過敏で激しやすいクルマだ。また、ホイールベースの短さゆえに、路面のくぼみでは落ち込みも跳ね返りも大きい。

シャシーを厳密にみれば乗り心地は落ち着きに欠けるところがあるし、スタビライザーのセッティングにも許容しかねる部分があるため、前後にも左右にもボディは揺すられがち。背が高く、根っからのスポーツモデルではないので、Up! GTIはコーナーへ矢のように飛び込むわけでも、バランスの取れた動きで自由気ままに向きを変えられるわけでもない。ミニ・クーパーのようなわけにはいかない、とでも言おうか。それよりも、まるで路面のパッチにコンタクトするたびにクルマを落ち着かせ、ステアリングホイールを切るたびに考えなくてはいけない。

一方で、その曲がりたがらない切りはじめの傾向さえ克服すれば、それ以降のコーナリングは驚くほど鋭く、期待していなかったほどのゲーム性をみせる。とはいうものの、制限なしに楽しめるというわけではない。シャシーはコーナリング中のスロットル操作に喜ばしいほど敏感で、十分に遊べる余地はある。だが、スタビリティコントロールはスロットルオフのアジャスト性には早々に見切りをつけて、最新とは言えないような制御のブレーキ介入を行ううえに、オフにできないのだ。

とはいうものの、本領を発揮する場面であれば、このUp! GTIはドライバーに満面の笑みを浮かべさせる。その瞬間、素晴らしいと思わせてくれるクルマだ。刺激的で、グリップは強力だから、実に楽しい。残念なのは、そうでない時間の方が長いということだ。

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