VWトゥアレグ2018年型 3.0 V6 TDIディーゼルに試乗 慎み深さが魅力

公開 : 2018.05.17 18:10

イノビジョン・コックピット 多くのハイテク装備

驚くべきは、ふたつが並んで配置されたインストゥルメントとインフォテインメント・スクリーンだ。インストゥルメント・スクリーンのサイズは12インチ、インフォテインメントは15インチあり、現行メルセデスと同じく、ふたつは隣り合って配置されている。スクリーンには、ドライバーの好みに応じて、ナビゲーション、トリップコンピュータの数値や、その他のいかなる情報も、ほとんど無限の組み合わせで表示させることができる。

このシステムは「イノビジョン・コックピット」と呼ばれ、複雑でやや直観的な操作が難しいが、その見た目は非常に印象的だ。

トランスミッション・トンネルの位置には、このクルマの調整可能な車高や、「エコ」、「コンフォート」、「インディビジュアル」から、「スノー」、「サンド」、「オフロード・エキスパート」といった、数多くのドライビング・モードをコントロールするための、ダイアルが設置されている。

いくつかのモードを試してみたが、最高の洗練に、落ち着きと静粛性を組み合わせた、「ノーマル」と「コンフォート」が、路上では最も快適だろう。そして、ハンドリングも、直観的な操作ができる、素直で正確なものだった。

他のモードでのハンドリングも、そのサイズからすれば、驚くべき敏捷性を示したが、残念ながら魅了されるほどのものではなかった。さらに、テスト車両に取り付けられたアクティブ・サスペンションや可変レシオ・ステアリング・システムは、タイトコーナーにおけるこのクルマのハンドリングに多少の影響を及ぼしていたようだ。

ロックまで1/4回転ほどのところで、人工的な重みとともに、ステアリングが突然クイックになるために、せっかくのトゥアレグのシャシーがもつ高いグリップレベルにもかかわらず、峠道では路面状況が分かりにくくなり、ゆったりとしたペースのほうが相応しいとしか思えなかった。

しかし、大型SUVとしてみれば、このクルマはとても従順で、ステアリング中立付近の希薄なフィールや、一定しない重み、フィードバックの不安定さなどは些細な問題だともいえる。エンジンは、このクルマにも十分な力強さと余裕をもち、極たまに、トランスミッションが変速に手間取ることで、スムースさが乱されることはあるが、静かで滑らかな走りを実現している。

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