試乗 トヨタ新型クラウン・プロトタイプ ハイブリッド車/2ℓターボ車を比較評価

公開 : 2018.06.09 00:00  更新 : 2021.01.28 17:04

「試乗」2ℓターボ RS 絶妙のバランス

性能面ではベーシック仕様になるのが2ℓターボ車。実はこのパワートレインを搭載したRSが今回の試乗車の個人的オキニ。クラウンらしいかと問われれば「否」なのだが、品とか素性のいいスポーティセダンとして絶妙のバランスである。

レブリミットは6000rpmだが、許容回転数いっぱい手応えよく使える。2000rpm前後でも力感があり、8速ATをまめに変速して少ない回転域に留めるのも好感触。エコ/コンフォートモードでゆったりと走らせるのも悪くない。でも、美味しいのはスポーツ/スポーツ+モード。常用回転数を高めて、加速では引っ張り気味にアップシフト。ペダルコントロールに素直なトルクと変速のリズム感が心地よい。で、一番気持ちいいのが4500rpm辺りをターゲットにしたマニュアル変速。踏み込んだ時には音量は控え目ながら弾けるような音質のエンジン音も好感。演出の少ない、素のよさを感じさせてくれた。

「標準系」「RS系」 足まわりの違い

サス設定は大まかには2タイプ。標準系とRS系である。RS系には電子制御可変サスが採用されている。ドライブモードは標準系がエコ/ノーマル/スポーツの3モードでパワートレインとパワステ、空調の制御が変更される。RS系はコンフォート/エコ/ノーマル/スポーツ/スポーツ+/カスタムの6モードで、コンフォートとスポーツ+は電子制御サスの特性も変更される。カスタムはサス/パワステ/空調を好みで設定できる。なお、スノーモードは独立して選択可能だ。

試乗全車に共通したフットワークの印象だが、神経質な振る舞いが極めて少なく、常に程よく「わずかな緩さ」を感じさせてくれる。

段差乗り越えの突き上げではきっと車軸がわずかに揺らぐように、フルバンプ近くストロークする時にはマウントが受けるような作用があるのだろうが、どこがどう動いているのかあまり分からない。コンプライアンスやバンプストッパー、車体骨格まで含めて全体がひとつの振動系として振る舞っている。どこかの動きが目立つと、多くの場合は「悪さしている」とネガティブな評価になりやすいのだが、それが感じられなかった。各部の緩さの按配というか、別部への動きのバトンタッチの巧みさというか、そういった動きの連続感と収まりがうまい。
 

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