スズキ・スイフト・スポーツ vs VWアップGTI 攻守交替なるか

2018.06.23

活気ある3気筒 両者ともステアリングには不満

こういった点でも、スイフトのほうが優れていると言えるが、アップの3気筒エンジンに火を入れると、このクルマの評価が俄然高まってくる。

決してそのサウンドでドライバーを魅了するようなエンジンではないが、個性的で、他の多くの3気筒同様活気に溢れ、キャビンに響き渡るリズムが、アップをまるでフィールドを駆け回る俊敏なラグビー選手のように感じさせる。アップは確かに小柄だが、だからといって、大柄な連中とのけんか騒ぎで引けを取るようなモデルではないのだ。

小排気量にもかかわらず、このエンジンは非常に力強くもある。20.3kg-mのトルクは、ターボチャージャーによってわずか2000rpmから発揮され、加速力は十分だ。0-100km/h加速は8.8秒、最高速度は196km/hとされている。もちろん最速のモデルなどではないが、アップの小さなボディが、このクルマの美点のひとつともいえる実際以上のスピードを感じさせてくれる。どんなスピードで走っても、アップを退屈に思うことなどない。

一方のスイフトだが、そのエンジンははるかに大人びて、活気あふれるホットハッチ用の4気筒というよりも、まるで、もくもくと仕事をこなす業務用機器のように感じられる。サウンドはつまらないが、それでも間違いなくスイフトの方がアップよりも速い。さらに、ピークトルクを発生させるには2500rpm以上の回転を維持する必要があるため、正確だが、これもあまり印象に残らない6速マニュアルギアボックスを頻繁に操作する必要がある。


コーナーでは、両モデルとも、その車高の高さと、比較的長いボディを苦にしているように感じられる。高速コーナーでは、その高い重心位置がそれなりのロールを誘い、アウト側ホイールにボディが沈み込む。とは言え、どちらも特にコントロールが難しかったり、グリップが不足している訳ではない。優れたシャシーのコントロール性と反応によって、制限速度以内であれば、両者とも十分運転を楽しむことができる。

コーナーを攻め込むときの陽気なキャラクターとは裏腹に、ステアリングはどちらも褒められたものではない。スイフトの場合、フィールに乏しく、その重みも人工的なものであり、アップの方が重みはより自然だが、スイフト同様、フロントタイヤからの情報はまったく伝わってこない。

 
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