FCV、英国縦断できる? 水素ステーションは全英9カ所 トヨタ・ミライで挑戦

公開 : 2018.07.01 08:10  更新 : 2021.01.28 18:23

最終目的地へ 旅の記録

得点アップの秘訣は発進時にいきなりアクセルを踏まずに、モーターに仕込まれたクリープ機能をうまく使うことと、あたりまえの話だがエコノメーターの緑のゾーンを保つことだ。最終日にビーコンスフィールドのサービスエリアにあるシェルの水素ステーションで補充してから、最後の区間でこれを実践してみることにしよう。

ここで極力節約に励むわけは、ランズ・エンドまでは444kmもあるからだ。いちおう482kmとされるミライの航続可能距離におさまるとはいえ、今回の旅では補給なしでこれほどの距離を走るのははじめてなのだ。くりかえしになるが、そのためにはトレーラーハウスを引っぱるときのように運転することになる。後続車のイライラを引きおこすことはまちがいないが、彼らには前をいくミライからまったく汚染物質が出ないことなど知るよしもないだろう。

デヴォンをすぎるころには、ランズ・エンドまでもちそうに思えてきた。ここから巡航ペースを流れにまじりやすい97km/hまで上げたが、生け垣が道の両側からせまるコーンウォールだけはスピードをおとした。

ついに最終目的地ランズ・エンドに辿りついたわれわれはバンザイを叫ぼうとしたが、どうしたことかどこにもそれを示す標識がない。どうも夜間はここの地権者が標識をしまいこんでいるらしいのだ。まあ彼に10ポンド(1470円)なりを払って標識の写真を撮らせてもらうのは明日においておくとして、ここでオークニー諸島からここまでの行程を整理しておこう。

・走行距離 1785km
・走行時間 19時間40分
・平均速度 90km/h
・水素消費率 0.9kg/100km

ほかには、消費した水素は16.1kgで、その費用が193ポンド(2万8400円)。走行1マイルあたりにすると17.9ペンス(1kmあたり16.4円)の計算だ。補給は4カ所で合計15分、排出した純水は14.5ℓだった。

明くる日、記念写真を撮っているところへ日本人観光客の一団がやってきた。彼らは、標識にかかげたわれわれとミライの記録達成のしるしを見つけると、よろこんでくれた。

さらにミライが日本の誇るトヨタのクルマだと伝えると、いっそうのよろこびの声があがった。彼らもわれわれも、いつの日かあたりまえに燃料電池車を運転する日がくるのだろう。

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