ホットハッチ頂上対決 ルノー・メガーヌRS 280カップ vs ホンダ・シビック・タイプR

公開 : 2018.07.22 09:10  更新 : 2018.07.22 09:14

独特のコーナリング 必要なのは「ひとつの技」

先代メガーヌよりもアクセルオンでより積極的に作動するスリッパリーディフェレンシャルによって、両輪へのトラクション性能と併せて、バンプステアも増している。わたし個人が好きになれるかどうかはわからないが、このクルマのオーナーの大多数が、生き生きとしたこのステアリング特性を好むことになるだろう。

メガーヌRSはコーナーでも活気に溢れるが、そのコーナリングマナーは独特だ。元サッカー選手のクリス・ワドルが、いまたくさんラジオ解説に登場しているが、彼のニューカッスル訛りを聞くたびに、ワドルがかつてウイングのポジションについて語っていたことを思い出す。彼はウイングの選手は、ただひとつ、素晴らしい技を持っていればそれで良いといったのだ。「ディフェンダーが、その技を予期していても問題ありません」と彼はいい、「もしその技が完ぺきに決まれば、ディフェンダーには止めることができないのです」と続けている。

メガーヌの技は完ぺきなまでに磨き上げられている。それ以外の部分がどうであれ、その技さえ決まれば、ドライバーの警戒心などやすやすと突破して、常にそのドライビングでひとびとを満足させることができる。


それが、メガーヌのコーナリングだ。ラウンドアバウトやタイトに曲がりくねった道で、このクルマはドライバーの意思に従い、これまで前輪駆動のパフォーマンスカーでは体験したことのないような、驚くほどの素晴らしい正確さで、いとも簡単に向きを変え、急激に旋回する。これは、100km/hまでの速度で、フロントとは逆位相の舵角をリアに与える四輪操舵システムのお陰でもあるが、慣れるには多少の時間が必要かも知れない。

さらに、より低い速度域では、オーバーステアではないにもかかわらずそう感じる瞬間がある。しかし、一旦このシステムを信頼することができれば、中速コーナーではリアの舵角を使って姿勢をコントロールするのが容易になり、ドライバーが求めるままに、自信をもって滑らかにメガーヌの進路を導いていくことができるようになる。

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