英国試乗 マツダ6(アテンザ) 2.5 GT 193psの2.5ℓ 質感を取るならMT+2.0ℓ

公開 : 2018.07.24 10:40  更新 : 2018.07.24 11:11


ライバルより際立つステアリングフィール

マツダが165psの2.0ℓエンジンだけではなく、さらにパワフルなエンジンをラインナップした理由のひとつには、パワーを受け止められるだけの優れたシャシーを獲得していることもあるだろう。前輪駆動のマツダ6は、これまでも敏捷さが身上で、クルマが進行方向を変えていく自然な仕草は印象的なほど。ステアリングフィールはこのクラスのスタンダートと比較しても心地よく、きめ細かくダイレクトだ。

実際、前輪駆動のライバルとなるフォード・モンデオやフォルクスワーゲンパサートだけでなく、構造的に異なる、後輪駆動のBMW 3シリーズと比較しても、遜色のないレベルを披露してくれる。

今回のマイナーチェンジでは、フロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンクとなるサスペンションも改良。ステアリングフィールを一層リニアなものにするため、フロントのステアリングナックルの取り付け位置を下げつつ、ロワアームのマウント位置を持ち上げている。さらに、ステアリングラックが直接トランスファーに固定され、操作する機会の多い、中速コーナーでの正確性が高められている。

アンチロールバーの取り付け方法も、サスペンションのスムーズな動きの妨げにならないよう、配慮されている。さらに、ダンパーは通常タイプのままながら直径は大きくなり、乗り心地の快適性を向上させるとともに、リアのアッパーマウントをウレタン製とすることで、減衰力特性を改善させている。

ほかにも、ここには書ききれないほどの改良が施されているが、結果としてマツダ6の優れたダイナミクス性能は間違いなく受け継がれている。ステアリングフィールはダイレクトで、ノーズは鋭くコーナーへと向きを変える。ボディロールも緩やかで、節度がある。シャシーはとてもナチュラルに、流れるように向きを変えていく。

走行ペースを限界付近へと速めていくと、ボディコントロールは上下方向で先に音を上げはじめ、路面が荒れている場面などでは、不規則な動きが目につくようになる。ただし、前輪駆動の上質なサルーンの走行ペースとしては、必要以上に高い速度域での話。全体的には優れた、特徴のしっかりしたステアリングフィールだと思う。

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