試乗 新型フォード・フィエスタST 2018年最高の仕上がり

2018.07.27


気になる点もなくはないけれど

いくつか気になる点にも触れておこう。

まず、電動パワーステアリングは12:1のレシオで、クイック過ぎるきらいがある。またLSDの悪影響として、荒れた路面ではシャシーが跳ねてしまい、若干不安定になる。ただし、車内環境やダンパーは従来以上に煮詰められているから、適度なスポーティさを醸し出す要素でもある。助手席のひとからは不満が出るかもしれないけれど。パフォーマンス・パッケージを選択すると、少し改善する可能性はある。

マニュアルのシフトフィールは、ストロークも短く正確性も高いが、もっと重さとしっかりした感触がほしい。シビック・タイプRのように。

また、新しいエンジンの長所もつかみにくい。一見すると、アイドリング時の音量も大きく、回転数も鋭く駆け上がり、特徴的なユニットに思えるが、それほどドラマチックではないのだ。従来モデルのST200が搭載していた4気筒エンジンは、日常利用での使い勝手は良いとはいえなかったものの、音質面では素晴らしく、6500rpm目掛けてクレッシェンドしていく豊かなサウンドが楽しめた。

また、ターボラグに関しても、4気筒ユニットからは特に改善はしていない様子。フィエスタSTのライバルには、ロータスの息がかかったエンジンを搭載されていることに、触れない訳にはいかない。そう、スーパーミニの新しい指標のひとつ、ヤリスGRMNのスロットルレスポンスは、まさに神業とも呼べる素晴らしさを得ているのだから。

ただ初代フォーカスRSの頃は、通常のクルージングですら10.5km/ℓ程度の燃費を実現することは難しかった。新しいフィエスタは、同等の運動性能を獲得しつつ、高速道路でなら17.7km/ℓも走ることができる。加えて、低負荷時には14ミリ秒という短い時間で、3気筒のうち1気筒を休止させる機能も搭載されている。進化したものだ。

 
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