MATストラトス ラリーステージのスーパースターが復活 ベースはF430

2018.07.27


オリジナル同様、エンジンはフェラーリ製

アルミニウム製のパネルに埋め込まれた計器類は、1970年代のオリジナルモデルを彷彿とさせ、取って付けたようなメーターのレイアウトもオリジナル・ストラトスのようだ。しかし、エンジンを目覚めさせると、新しいものと古いものとが混在したかのような印象は払拭された。

ステアリングホイールに備わる赤いボタンを押し、V8エンジンを始動する。車内は振動を伴うサウンドで満たされる。このクルマにはオプションとなるカプリスト社製のエグゾースト・システムが装備され、標準モデル以上に賑やかとのこと。

右側のパドルを引いて1速に入れると、吸気音を伴う悲鳴のような咆哮に支配された世界に変わる。しかしまだ序の口。ガレッラは、ヨーロッパの中でも最大の山岳地帯が広がる、トリノ西部、フェネストレッレ近くのアルプスに向けてクルマを走らせる。でも、わたしにはその美しい景観を楽しんでいる時間はない。このクルマのダイナミクス性能を、オリジナルのストラトスも駆け回ったであろう、九十九折の舗装路で確かめなければならないのだから。

道幅は狭く、スロットルペダルを踏み込める機会は多くはないが、その機会が来ると興奮せざるを得ない。道路環境としては4000rpmも回せれば良い方で、さらに4000rpmも回転数には余裕がある。それでもV8エンジンが本気を伺わせる最中、窓から見える景色はまるでスカイダイビングでもしているかのように流れる。

視覚に気が取られがちだが、フェラーリ製のエンジンは、聴覚に加えて、シートを通じて身体にも触覚としてその存在を伝えてくる。メカニカルな実体験を得たいなら、最適な場所だと思う。オリジナルのストラトスがディノ譲りの2.4ℓ V6エンジンを搭載していたことを考えると、このフェラーリ製のエンジンは最適なチョイス。

さらにこのF430用のV8エンジンには、低回転域でのトルクを増強するため、新しいインテークマニフォールドも装備されている。

 
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