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AMG C63 S、フェイスリフト 2018年型に初試乗 不動のクラス王者

2018.08.02


9速ATは多段すぎる?

もちろん、トルクの面では明らかにターボ車的。ターボ過給されるエンジンならではの中回転域での盛り上がりが、明確にC63 Sには備わっている。加えて、レブリミット付近でのシルキーでありながら凶暴な回転フィーリングこそ、AMGにホットロッド的な雰囲気を持たせていることに、疑問の余地はないだろう。

8万ポンド(1168万円)で手に入る4ドアサルーンに搭載されるベスト・エンジンは何か、と聞かれたら、C63 Sのユニットがその答え。わたしには他に考えられない。

メルセデス製の新しい9速ATは、従来の7速AT以上にV8エンジンの輝きを引き出せているのかどうか。それは、運転の仕方によるところが大きいと思う。よりスポーティさを増したドライビングプログラムのお陰もあり、変速スピードと質感は明らかに向上している。

郊外の山岳部に広がる空いた国道をマニュアルモードで走るなら、5速以上のギアを効果的に使うことで、不満のない速度を容易に保つことが可能。また、サーキットでのハードな走行にも間違いなく適しているが、急いで変速する時などでは、自分の意図よりも低いギアを選んでしまうこともある。

段数の多いトランスミッションでヤキモキさせられるのは、通常の高速道路での走行ペースでも起き得る。ドライビングモードをスポーツやスポーツ+に設定していても、1段や2段、上のレシオを選択する傾向があり、コーナリング時や追い越し加速時などでは、最適なレシオがどれなのか、掴みにくく、期待したほどの速い加速が得られない印象もある。

ただし、この点は C63 Sのトランスミッションに限ったことではなく、8速や9速という多段化された現代のATではよく見られる課題だから、あまり深く論じることでもないのだが。

 
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