先代メルセデス・ベンツGクラス 惜別の辞 3カ月をともに過ごして

2018.09.01

何事も無く任務完了 家族の一員

まさにその通りだった。32kmの道のりで、側溝にはまらずに路上を走っていたのは2台のディフェンダーだけだったが、この道のりのあいだ、特別なドラマなど何も起こらなかった。

オイルを積み込んで家に帰り着いた時には、木が生えていないことで、辛うじてそこに道があることがわかるほどだったが、Gクラスの速度が落ちたように感じ、トラクションコントロールの作動を示す警告灯が点滅したのは、急坂に差し掛かった時だけだった。

しかも、Gクラスは多少考え込むようなそぶりを見せただけで、トルクの配分調整を行うと何事もなかったかのように前へと進み続けた。デフロックすら必要無かったのだ。

無事オイルを家に持ち帰ると、外に出て雪と戯れる余裕ができたので、Gクラスとわが愛しのランドローバーとを交互に乗り換えて、ふつうなら動くこともままならないほど降り積もった雪のなかでの能力を確かめてみることにした。


最初はボスニアの冬にも対応可能なタイヤを履いた古いランドローバーが優勢だったが、雪が踏み固められ、路面が滑りやすくなると、メルセデスの独壇場だった。

わずか3カ月しか共に過ごしていないにもかかわらず、このクルマはもはや家族の一員だった。もうひとりの娘が初めてこのクルマを見たとき、彼女は「わたしが生まれてから人生最高の日よ」と言ったほどだ。大型モデルが嫌いで、SUVを憎んでいる妻でさえ、へたな言い訳をしながら、このクルマのことを認めない訳にはいかなかっただろう。

わたしにはへたな言い訳をする必要などまるでなかった。最高の天気で、ほかにもっと相応しい移動手段があったとしても、常にGクラスを選ぶだろ。だが、もっとも驚くべきは、客観的にみれば、このクルマはまったくお勧めなどできないという事実だ。

 
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