先代メルセデス・ベンツGクラス 惜別の辞 3カ月をともに過ごして

2018.09.01

伝統的で本格的なプレミアムオフローダー

高速道路を走りながら平面ガラスのウインドウスクリーンから周囲を見渡していると、このクルマ以外の選択肢など思いつかないだろう。ドライビングポジションは独特で、エアロダイナミクスなどまったく考えていないようなそのボディ形状からすれば、聞こえてくるウインドウノイズも驚くほど小さい。

さらには、思わぬ出来事にもよく遭遇した。ポルシェ・カイエンやレンジローバーといった他の非常に高価なSUVに乗ったドライバーたちが、Gのエグゾーストに興味を惹かれてやってくるのだ。なぜ彼らが興味を持つのかなど知る由もないが、その目には常に敬意が感じられ、わたしとしては、最新SUVのなかから1台を選び出そうとするときのリストに、このクルマは当然載っていなかったがために、まさにGクラスこそがこうしたクルマのあるべき姿だと、彼らが驚嘆しているんだと思うことにしていた。

もしかしたら、何人かのレンジローバーのオーナーだけが、世界でもっとも本格的なプレミアムオフローダーを運転しているのは、Gクラスに乗っているわたしかも知れないと考えたんじゃないかと思っている。本当のところはどうかわからないが、わたしが運転するまさにこのクルマが、公道用タイヤを履いたままで、ほとんどセッティングを変えることなく英国横断を達成したのだ。そして、そんなこのクルマのキャラクターを完全に試すことなく、Gクラスを語ることなどできないこともわかっていた。


だからこそ、伝統的なオフロード走行をするために、ゴツゴツとしたタイヤを履き、大型ジャッキを装備して、ミルブルックのプルービング・グラウンドにあるオフロードコースへと戻って来たのだ。

「伝統的」といったのは、トラクションとスタビリティコントロールを除けば、このクルマが完全にアナログなオフローダーだからだ。ヒルディセントコントロールもなければ、マッド、スノー、サンドといったモード切替えスイッチもない。ローレンジ用トランスファーとマニュアル操作が必要な3つの機械式ロッキングディファレンシャルが備わっているだけだったが、実際のところ、こうした機能すら必要とすることはほとんどなかった。

 
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