先代メルセデス・ベンツGクラス 惜別の辞 3カ月をともに過ごして

2018.09.01

驚きのオフロード性能 人生における一服の清涼剤

泥だらけの丘や、崖を登るような急坂にもかかわらず、このクルマに乗ってさえいれば、どんな場所へでもあきれるほど簡単に辿り着くことができた。お馴染みのホイールスピンが役に立たなかったので、写真撮影用に泥だらけになるため、マッドコンディションでスピードを出す必要があったが、Gクラスはまるでアスファルトの上を走っているかのようなグリップで加速してみせた。

結局、このクルマの能力を本当に試すには、公道用タイヤのままの方がよかったのかも知れない。このクルマは、まるでルイス・ハミルトンが地方のカートコースに現れたかのように、あっさりとコースを征服してしまったのだ。

Gクラスをメルセデスに返却したときにはやや寂しさを感じ、いまだにそれは続いている。だが、100ポンドでその巨大な燃料タンクを満タンにしても、わたしの家からスタンステッド空港までの往復に必要な644kmを走りきることができないからというだけではなく、実際のところ、このクルマはわたしの生活における現実的な選択肢ではなかった。


それでも、機能は形態に従うという言葉が、実生活の様々な場所で通用しなくなっている現代においては、その目的のためだけに創り出されたクルマと、わずか3カ月とはいえ共に時間を過ごせたことが、まさに人生における一服の清涼剤となったのは事実だ。

設計されたのが40年前であることを考えれば、もちろんGクラスにも限界はあるが、本当のところ、そうした事実にもかかわらず、もしこのクルマよりも素の魅力にあふれた5人乗りモデルがあるとすれば、わたしがまだそれを知らないということになる。

そして、すべてがより素晴らしくなっているはずの新型Gクラスであれば、間違いなく、このモデルチェンジでもっとも重要なタスクである、そのユニークなキャラクターを無傷のままで生き延びさせることに成功しているに違いない。

 
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