VWゴルフRエステート・パフォーマンスパック 環境によって「R」で充分

公開 : 2018.09.03 10:20


どんな感じ?

ゴルフの中で最速

まずはじめに、若干だが、遅くなる可能性にも触れておこう。今後搭載されるエンジンは、新しい新排出ガス基準のWTLP(乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)に合わせるため、最高出力が310psから300psに落ちる予定になっている。窒素酸化物の排出を抑えるため、より排気系統の効率を落とした設定にならざるを得ないのだろう。

ただし、この規制に合わせられたエンジンを実際に運転してみても、実世界では、実感として遅くなったとは感じられないはず。ゴルフRの0-100km/h加速の数値は4.8秒で、追い越し加速などでも、至ってスムーズに完了できることに変わりはない。さらに中回転域のトルクも豊かで、38.6kg-mという不足ない数字を2000-5400rpmに渡って発生させる。長距離移動も安楽にこなせる設定だ。

サスペンションはGTIと同様に、フロントがマクファーソン・ストラット式、リアがマルチリンク式となる。今回のテスト車両には、850ポンド(12万円)のDCCと呼ばれるアダプティブ・シャシーコントロールを備え、コンフォートからレースまで、4種類のドライビングモードが選択可能。また、ステアリングの重さやエンジンのレスポンスなどを任意に設定できる、インディビジュアル・モードも備わっている。

加速の面でパフォーマンスパックには、もうひとつ魅力的な内容が盛り込まれている。標準のRの場合、6速か7速で加速を続けていくと、250km/hで電子リミッターが機能して、ぶっきらぼうに出力が絞られてしまう。しかし、実際はさらに加速を続けるだけのパワーを持っている。

一般道ではテストするべきではないが、パフォーマンスパックの場合、最高速度が270km/hまで高められ、実際のパワーをきっちり引き出すことが可能となる。しかも面白いことに、同じパフォーマンスパックでも、ハッチバックの方が3km/hほど遅いのだ。これは、エステートには付いていない、ダウンフォースを強めるリアスポイラーが影響していると思われる。結果として、控えめな見た目のエステートがゴルフの中で最速となる。

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