ロードテスト ポルシェ・カイエン ★★★★★★★★☆☆

2018.09.15

 

はじめに ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

カイエンを含め、フォルクスワーゲン・グループのMLBエボ・プラットフォームを用いた高級SUVのレポートには飽き飽きかもしれない。同じようなネタばかりで申し訳ないところだ。そんなことはない、というなら、あまり新車紹介記事を熱心にお読みいただいていないのだろう。

とはいえ、3代目カイエンの話をさせていただこう。少なくとも、これは同じプラットフォームをベースとするファミリーの中にあって、初めてショートホイールベース版を採用した点で、多少なりとも目新しさがある。アウディQ7やQ8、そしてベントレー・ベンテイガと比べれば、その短縮幅は100mmで、ランボルギーニ・ウルスよりも短いのだ。また、全高と重量をみると、カイエンを下回るのはウルスのみ。もっとも、ウェイトは公称値での比較という条件付きだが。なお、テスト車の実測値は2307kgで、カタログ値の2250kgは満タンの燃料と数多くのオプションを含まないデータということになる。

ホワイトボディは主にアルミ製で、ボンネットやテールゲート、ドアやルーフ、フロントフェンダーにもそれは及ぶ。前後のマルチリンクサスペンションにもアルミ部材が多用され、ターボでは他グレードよりトレッドが拡大されている。また、安価なグレードでは金属スプリングが備わるのに対し、それらではオプションとなる車高調整可能な3室エアスプリングとPASMアダプティブダンパーがターボではスタンダード。21インチのホイールや、タングステンカーバイドで鋳鉄ディスク表面をコーティングしたブレーキも標準装備される。PSCBと銘打たれたこのブレーキは、ストッピングパワーを高めつつ摩耗を低減。しかし、テスト車にはオプションのPCCBカーボンセラミック・ディスクが装着されていた。

もちろん、それらはシャシーを読み解く要素としては、ほんの序の口だ。リアアクスルにはトルクベクタリング機能を持つeデフが追加でき、アクティブスタビライザーやアクティブ四輪操舵も選択できる。このうち、テスト車に装備されていなかったのは4WSだけだ。

エンジンはシリンダーバンク内側にツインターボを収める3996ccV8で、これはベンテイガV8と同じユニットだ。550psと78.5kg-mのアウトプットは、先代ターボからの向上をみている。BMW MやメルセデスAMG、ランドローバーSVOといった主なライバルにはだいぶ見劣りするが、おそらくは今後登場するターボSやターボS Eハイブリッドに備え、意図的に目減りさせているのだ。

トランスミッションはZF製8段AT。クラッチを用いた4WDシステムは、トルセンセンターデフ式の他グレードより多くの駆動力を後輪へ、それも迅速に伝達できる。

 
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