ロードテスト アウディA7スポーツバック ★★★★★★★☆☆☆

2018.09.17

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

走り ★★★★★★★☆☆☆

動力は2967ccV6ディーゼルのみだが、このA7 50TDIをゆっくりと走らせるのは、どんな場合でもストレスを感じない。アイドリングでも走っていても、先代より静かだ。これはエンジンそのものの静粛性と、キャビンの遮音性が相まってのことだ。もしもアウディが、荒れた路面で発生する盛大なロードノイズをどうにかしてくれたなら、この差はもっと大きかっただろう。239psから286psへパワーアップしたことで、48-113km/hの追い越し加速は6.5秒から5.3秒に短縮された。

ただし、4速固定で同じように加速した場合は8.2秒と、それほど驚くようなタイムではなくなる。このことは、トルクが63.2kg-mもあるとはいえ、その発生域が2250〜3000rpmと狭いのが原因だ。これは、ピークパワー発生点まで残念ながら500rpmのフラットスポットがあることにもなり、しかも最高出力をマークするのは4000rpmまで。なので、加速の早さは、8段ATが適切なギアを選択するか否かにかかっている。こうなると、より大きな排気量で、2000rpm以下でも苦もなくリニアに加速するBMWの直6ディーゼルが恋しくなるところだ。

そんなライバルは持ち合わせていないのが、マイルドハイブリッド・システムだ。これは、リチウムイオン・バッテリーを備えた48Vシステムと、ベルト式オルタネーター/スターターを用いる。主な狙いは、ドライブセレクトをエコモードにした際に、エンジンオフでのコースティング走行をすること。そのプロセスは滑らかで、しかも巡航時のエンジンは静かなので、回転計をにらみつけていなければいつエンジンが止まったかわからないほどだ。あら探しするならば、スロットルペダルから足を離したらもっと早くエンジンを停止してもらいたいのだが、再始動に関しては必要とあらばほぼすぐにかかり不満は感じない。

英国の高速道路では、巡航速度が激しく上下しがちだが、そこではマイルドハイブリッドが上々の働きをみせ、結果として目覚ましい燃費を叩き出す。テスト中のツーリング燃費は18.8km/ℓで、計算上の航続距離は1200km近い。14.3km/ℓで920km弱だった先代A7の3.0TDIを大きく凌ぎ、大柄な高級車にハッチバック並みの効率をもたらしたのだ。混み合った市街地を走っている限りはその恩恵に気付きにくいが、アイドリングストップが完全停止後だけでなく、走行中でも22km/h以下なら作動するようになった。

テストコース

ミルブルックの曲がりくねったヒルコースで、A7の走りはまさしくアウディの大型4WDモデルがいつも見せるそのものだった。そのサイズもさることながら、絶対的な安心感もである。

中速コーナーでは、このシャシーはしばしばリア優勢の心強い挙動をみせる。ただし、それは単に見せかけだけの運動性で、それ以上を望むと穏やかながら頑固なアンダーステアに転じる。実際、コーナーへの進入は頼れるが活発さはなく、それは中立から切り始めた際の鈍いレスポンスによるもの。そしてトラクションは、パワーを思い切りかけても破綻しない。

このA7の美点を挙げるなら、タイトなボディコントロールだ。縦・横いずれも、ボディの動きは適切に抑えが利いている。

T2では、ほぼアジャストできずコース幅をいっぱいに使ったコーナリングをする。ただし、アンダーステアにはよく抵抗する。

T4ヘアピン脱出後の大きな沈み込みはよく緩和され、続く上り坂を越える際の浮き上がりも抑えられている。

高速ダウンヒルからの右コーナーとなるT5は、オーバースピードで進入すると、早々に、しかも強引にスタビリティコントロールが介入する。

発進加速


テストトラック条件:乾燥路面/気温24℃
0-402m発進加速:14.3秒(到達速度:158.0km/h)
0-1000m発進加速:26.1秒(到達速度:204.2km/h)


フォルクスワーゲン・アルテオン2.0BiTDI 240 Rライン4モーション(2017年)
テストトラック条件:雨天路面/気温18℃
0-402m発進加速:15.0秒(到達速度:150.0km/h)
0-1000m発進加速:27.4秒(到達速度:191.5km/h)

制動距離


テスト条件:乾燥路面/気温24℃
97-0km/h制動時間:2.84秒


フォルクスワーゲン・アルテオン2.0BiTDI 240 Rライン4モーション(2017年)
テスト条件:雨天路面/気温18℃

 
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