ロードテスト アウディA7スポーツバック ★★★★★★★☆☆☆

2018.09.17

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

乗り味 ★★★★★★☆☆☆☆

高級4ドアクーペに乗るべく高いカネを払おうというのなら、乗り心地で譲歩しようというひとはまずいないだろう。残念ながら、もしデザインやテクノロジーやその他もろもろに魅力を感じても、見逃せない項目だ。

テスト車は、ラインナップ中では小径な19インチホイールの恩恵から乗り心地がスムースで、クルーズ中は素晴らしく静かだ。しかし、路面のくぼみや荒れた舗装の衝撃を適切に吸収できないことには失望させられ、すぐにフラストレーションを感じることとなる。プライマリーライドはまずまずだが、われわれはもっとしなやかだと期待していた。そして、巡航スピードでは奇妙な反響音がキャビンに伝わってくる。そのうえ、エアサス仕様車に試乗した経験からすると、その高額オプションを選択してもこれらは解決できない類の問題だ。アウディはガラスのようにスムースなアウトバーンを念頭に置き、英国のようなシチュエーションを忘れてクルマ造りをしたかのようだ。

そんな目論見どおりの直線路であれば、A7はその寸法を感じさせず、方向転換も冷静で確かな足どりによって安心感があり、ドラマ性の欠如したキャビンとは裏腹なスピードに導いてくれる。ドライ路面ならトラクションは完璧に思え、今回のテスト中は雨に降られなかったが、コンディション不良でもアウディのクワトロシステムに疑いを抱く理由はないに等しい。このグリップもあって、今回のA7はパッシブのスポーツサスペンションをハードに使うことが可能で、その際にも過剰なロールは発生しない。

A7がエンターテイメント性のある走りを身につけ、ドライバーズカーとしてCLSに立ち向かっていくには、アウディはまずステアリングに手をつける必要がある。頑なに軽く、生気がなく、切り始めは十分なレスポンスが得られないほどスローなそれだ。スムースな動きや大きく細いリムは、真に説得力のあるオールラウンダーを求めるオートカー読者諸兄より、町の渋滞と苦闘するショーファーにぴったりのシロモノだといえる。

 
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