[ABARTH 70周年]嶋田智之が、いま見つめるABARTH 595

ランボルギーニ・ムルシエラゴSV vs シボレー・コルベットZR1 回顧録

2018.09.17

ただならぬ雰囲気

ZR1も含め、およそ思い出せる限りのどんなスーパーカーにも増して、乗り手に自らの意志を確認にせずにはいられなくしてしまう迫力が、ムルシエラゴSVには備わっている。

このクルマをひと目見た瞬間、「自分は本当にこのモンスターに乗る覚悟ができているのか? シザースドアを開け、正気の範囲外にあるマシンを乗りこなす準備はできているのか? それに失敗したらどうなるのか本当にわかっているのか?」──などと自問せずにはいられない。

威嚇的なのは、その巨大さがもたらしているというよりも、むしろ細部に仕掛けられた視覚効果によるものだ。新デザインの大振りなリアウィング、クルマの脊梁部を覆っている恐竜の背びれのようなダイヤ形をしたグラスエンジンカバー、クルマの前に立つのを躊躇させるほど鋭く突き出した新設計のフロントスプリッターなどが、いずれもただならぬ雰囲気を漂わせている。

しかし、実際のSVは、決して外見から想像されるほどのモンスターなどではない。eギアの操作は初心者にとっても簡単だし、クラッチ操作が自動化されているのでエンストの心配はまったくない。少々うるさいが乗り心地はスムーズだし、スロットルペダルには適度な重みがあるので不用意に踏み込んでエンジンの意図せぬ爆発的反応に驚かされる心配もない。

 
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