ロードテスト ジャガーIペース ★★★★★★★★★☆

2018.09.24

 

はじめに ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

ジャガーによれば、Iペースのスタイリングは、2010年のコンセプトカー、C-X75コンセプトからインスピレーションを受けたという。ガスタービンエンジンを搭載するハイブリッドと完全なEVとで、どのような共通点が存在するのか疑問に感じるかもしれない。実際、両者ともにキャビンフォワードのプロポーションで、幅広く低く構えたノーズを持ち、低いボンネットにはエアアウトレットが付くなど、共通点はなくはない。

ただし、Iペースのリア周りは、Cd値0.29という優れた空気抵抗を実現するため、高く角ばった形状になっている。ジャガーのデザイン・ディレクターを務めるイアン・カラムも気に入っているデザインだ。わたしの目には、軽快で安定感があり、とても特徴のあるアピアランスに映っている。

ディメンションも特徴的で、ジャガーXEよりも10mmだけ長い全長を持ちながら、ホイールベースはミドルサイズのジャガーXFを凌駕している。ジャガーはSUVという立ち位置にしているが、一般的なモデルと比較すると、全高は圧倒的に低い。全幅はスーパーカー並みに広く、ミラーを含めると2139mmに及ぶ。

アルミニウム製のボディの内側には、一般的なEVと同じパワートレインが内包される。スケートボード状のシャシーの底面には、423のセルが集まった、90kWhという大容量のリチウムイオン・バッテリーパックが搭載される。この重量物がホイールベース間に収まることで、50:50の重量配分を実現したと、ジャガーは話す。ただ、われわれが計測した数値は、53:47だった。

軽量な永久磁石モーターを、前後に1台ずつ搭載。シングルスピードの遊星ギアトランスミッションと、オープンデフを搭載することで、できる限りコンパクト化に努めている。また、機械式デフに代わって、ブレーキによるトルクベクタリング・システムも搭載する。

今回のテスト車両、EV400の場合、モーター2台の総合出力では399psと70.6kg-mを発生するが、低速域では駆動するモーターは1台のみ。メーカー公称値での車重は2133kgとなっているが、実際にわれわれが計測した車重は2236kg。この重量級のボディを0-96km/hまで4.5秒で引っ張る。ちなみに2016年に計測した、同等のバッテリーを搭載したテスラ・モデルSの車重も、ほぼ同値の2230kgだった。

走行可能距離は、WLTP(国際調和排出ガス・燃費試験法)では470kmとなっている。100kW DC急速充電器なら、80%まで40分で充電が可能。7kWの家庭用充電器だと、フル充電まで13時間を要する。これをどう感じるか、読者による評価は分かれるだろう。

サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン式、リアがインテグラルリンク式で、標準では一般的なスチールコイルが採用されている。アダプティブ・エアサスペンションとアダプティブダンパーはオプションで、今回のテスト車両には装備されていた。エアサスペンションは、104km/h以上では空気抵抗を軽減するために車高が下がり、低速域では地上高を稼ぐために車高を上げることもできる。

 

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