ロードテスト ジャガーIペース ★★★★★★★★★☆

2018.09.24

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

乗り味 ★★★★★★★★☆☆

EVの開発競争の中で、Iペースはひとつのマイルストーンを築き上げたと思う。これまで多くのメーカーは、ガソリン車と比較して、満足の行くドライブフィールや俊敏性、コミュニケーションを獲得するのに苦心してきた。そんな手詰まり感のあった状況に、Iペースは明かりをともしたのだ。

例えばジャガーの電動パワーステアリングは、充分な重さがあるだけでなく、その重さの変化がリニア。加えてこの車重が信じられないほど、俊敏な運動性能を得ており、進路変更時の無駄のない動きは、驚くほどに楽しい。

車重の重さに関しては、EVが解決しなければならない障害ではあるが、ジャガーはそれをうまく制御している。決して軽量ではないクルマでも、バッテリーという重量物を低い位置に、ホイールベースの間に薄く搭載することで、弱みを強みへと変える努力が伺える。

やや攻め込んだコーナリング時でも、オプションのエアサスペンションが巧みに仕事をこなし、モデルSとは対象的に、驚くほどボディーロールは小さく抑えられ、ニュートラルなバランスを獲得している。加えてスロットルでのボディ制御も可能で、コーナーが待ち遠しくなるほど、自信を持ってクルマをプッシュすることができる。

反面、車重が重いクルマを運転するということは、デメリットも避けられない。Iペースの履くタイヤは幅が細く、2t超の車重はやや重荷。グリップが限界に達すると、電子制御のスタビリティコントロールが唐突に介入してくる。アンダーステアが強くなる状況で、荷重のかかる外側のタイヤへ伝わるトルクが、急激に変化するためだろう。

しかし、コーナーの進入時において、荷重の軽くなった後輪が緩やかに方向を変えていく振る舞いは心地よい。さらにスムーズで適度な入力を加えることで、Iペースはこれまでの電気自動車では味わったことのないレベルの、繊細で機敏で、なめらかな動きを披露してくれる。

乗り心地は繊細というわけではない。これだけの重量とパワーを持っているから、ほとんどの状況において、乗り心地には硬さを感じてしまう。路面からの大きな入力があるとクルマは落ち着かず、われわれが快適とは感じないような振動がボディに伝わってくる。街中や郊外の道で常に揺れが気になるわけではないが、改善する余地はあると思う。

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

 
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