新型プジョー508試乗 ドイツと異なるフランス流アプローチ 残価にも強み

公開 : 2018.09.27 10:40

納得のパフォーマンス

フロントにマクファーソンストラット、リアにマルチリンクを採用し、それぞれにアダプティブダンパーを組み合わせたプジョーのアクティブサスペンションは、508のオンロードでのマナーは納得できるものにしている。基本的に乗り心地はしなやかで落ち着いたもので、特にコンフォートモードを選択している限りは、路面不整に出会っても、ごくわずかなボディの上下動とともに、突然の突き上げも乗員にほとんど気付かせることなく吸収してみせる。

テスト車両が履いていたオプションの19インチホイールでは、時折バタバタとした様子を見せたが、それもライバルたちに比べ著しく劣るというほどではない。18インチを履いたモデルも試してみたが、乗り心地は明らかにこちらの方が上だった。

ロック・トゥ・ロックが2.5回転のステアリングは、レシオに関してはマイルドな設定であり、速度を上げるにつれて素晴らしい重みが加わるが(低速での手応えは非常に軽い)、路面伝達能力に関してはまったく不足していると言わざるを得ない。それでも、ワインディングロードでのドライビングを楽しむことができない訳ではない。


実際、スポーツモードであれば、ステアリングにはさらなる重みが加わるとともに、ボディの動きが抑制され、スロットルレスポンスも向上することで、508は十分に運転を楽しませてくれる。但し、楽しむことはできるが、決してエキサイティングとまでは言えないことも事実だ。

一方、パワートレインがそのパフォーマンスでドライバーを満足させることは難しいだろうが、プジョーが7.9秒としている0-100km/h加速は十分納得できるものであり、スロットルを床まで踏み込んでも、エンジンが悲鳴を上げるようなことはない。さらに、低速で若干グズる様子をみせることを除けば、全般的に8速オートマティックギアボックスの変速も非常に滑らかだ。この点ではフォルクスワーゲングループのDSGよりもはるかに完成度が高いといえるだろう。

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