ロードテスト フォルクスワーゲン・トゥアレグ ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2018.10.14 16:10  更新 : 2018.10.14 20:32

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

フォルクスワーゲンのチーフデザイナー、クラウス・ビショフによれば、デザインは明確にフラッグシップ・モデルと分かる表現だとしており、クルマのディメンションもそれを物語っているという。クルマの3サイズは、先代モデルと比較して77mm長く、44mm幅広く、7mm低くなっている。

ボディパネルの48%はアルミニウム製となり、アウディQ7ポルシェカイエンなどと同じ、フォルクスワーゲン・グループのMLBエボ・プラットフォームを使用する。結果、先代よりも106kg軽量になり、エンジンやオプションにもよるが、車重は2tを切るモデルもある。

ダイナミクス性能でも期待は高い。4輪駆動となるトゥアレグは、230psと286psの2種類の3.0ℓV6ディーゼルエンジンが当面はラインナップされる。今回試乗したクルマは286psの方。今後、339psを発生するV6と、さらに強力なツインターボのV8のガソリンエンジン、プラグイン・ハイブリッドも追加される予定。エンジンからの出力は、101.8kg-mまで許容量のあるバイワイヤ方式の8速ATへと導かれる。このクルマの場合、最大トルクは61.1kg-mだから、余裕しゃくしゃく。

ロック機能付きのセンターディファレンシャルが4輪を駆動し、最大70%のトルクをフロントタイヤへ、最大80%のトルクをリアタイヤへ、分配することが可能となっている。駆動トルクの分配は、タイヤの回転状況だけでなく、ドライビングモードによっても変化する。ドライビングモードは、エコ、コンフォート、スノー、サンド、オフロード・エキスパートの5種類が選択でき、センターコンソールのロータリースイッチで切り替えることが可能。

オプションとなるオフロードパックでは、標準の75ℓに代わって90ℓのガソリンタンクや、アンダーボディを保護するカバーと、電動制御の牽引フックが追加される。この手のクルマの場合、牽引フックは比較的選択されることが多いが、トゥアレグの最大牽引重量は、傾斜12%の坂道で3500kgとされている。

サスペンションは、標準では一般的なスチールコイル。今回のテスト車両には、2370ポンド(34万円)のオプションとなる、2チャンバー式のエアサスペンションが装備されていた。ちなみに、ベントレーベンテイガやポルシェ・カイエン、ランボルギーニウルスは3チャンバー式を採用している。

48Vの電圧で制御される電子制御スタビライザーは備わっていないが、これはエアサスペンションも含む、4890ポンド(70万円)のシャシーパッケージに付随することになっている。

120km/hを上限に、エアスプリングは車高を15〜25mm下げることができるのに加え、オフロード・エキスパートモードなら、70mmまで車高を上げることもできる。これにより、デパーチャーアングル(リアオーバーハング部)を31度に、ブレークオーバーアングル(ホイールベース間)は18.5度から25度にまで深くすることが可能。最大登坂角はドライビングモードに関わらず、60%となっている。

ランボルギーニ・ウルスと共通の4輪操舵システムは、37km/hまではフロントタイヤと逆位相に制御され、ゴルフと大差ない最小回転半径を実現しているのも特徴だ。

 

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