キアK900 韓国最上級車に試乗 Sクラスに対抗できるか

公開 : 2018.10.28 11:40  更新 : 2021.03.05 21:36

ラグジュアリーというよりプレミアム

一方K900は中東や米国では販売される予定だが、欧州では販売の予定はない。このクルマがどれだけ良かろうと、あるいはスティンガーの威光がどれだけ強かろうと、これがSクラスのライバルになれるとはとても思えないからだ。

われわれはソウルで試乗する予定だが、その前に運転手付きのクルマに乗る。K900の顧客の大半は後部座席に乗ることになる。どんな感じか? 十分なスペースがあることは確かだ。調整機能がたくさんついた快適で大きなシート。きちんとした乗り心地。ラグジュアリーというよりプレミアムな感じ。10年前のアウディA8のようだ。設問の答えはすべて正しいが、そんなに特別な感じはしないというところだ。

運転手には楽しみが待っている。運転席からはV8が体験できるのだ。K900のパワーソースは425ps、53kg-mの5ℓユニットで、シフトがとてもスムースな8速オートマティックを通して四輪を駆動する。0-100km/h加速は5.5秒と俊足だ。

しかしこのクルマはパフォーマンスカーではない。もちろん、V8のチューンはそうなってはいない。豊かな高性能をいつでも引き出せるエンジンで、粛々と静かに回り、素早くかつ楽々と周りのクルマを抜き去ることができる。吠えたり唸ったりしないエンジンは、静かで心強い存在だ。

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