ホットハッチ対決 フォーカスRS vs メガーヌ250カップ 後編 回顧録

2018.10.28

クールなホットハッチ

そういうメガーヌの性格付けに混乱して収拾がつかないまま、初日の試乗は終わってしまった。確かにとても速い。それは明白だ。だが、いわゆるホットハッチにしてはあまりにも上品で、あまりにも冷静すぎる。先代のR26があれほど走りが熱いクルマだったことを考えると、モデルチェンジによってなにか大切なものが失われてしまったようにも思えてしまう。

その種の楽しみのすべてが、メガーヌ250では実用的で現実的な品質の高さに置き換えられているのだとしても、それをなぜこの種のクルマに対して、それもこのような形で行う必要があったのだろうか─そんな疑問を頭の中で繰り返し唱えつつ、その日はベッドに入った。

翌日、改めてメガーヌに乗った。そして丘陵地を走っているうちに、まったく新しい見方に気がついた。確かにこのクルマはフォーカスほど速くもなければ賑やかでもない。それは間違いない。しかしながら、メガーヌの走りには洗練された味わいがある。

コーナーへと突っ込んだら一気に向きを変え、ターボのサウンドを全開にして飛び出していくフォーカスの走りに対し、メガーヌはアペックスからアペックスへと優雅に滑るように移動し、そして次のストレートに向けていささかの無駄もなく加速していくのだ。それに気がついたとき、フォーカスが急に少々ぎこちない乗り味に感じられてきたのである。疑問に思っていた、ルノーがこのクルマで示した方向性の根拠と流儀が、突如として理解できたわけだ。

 
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