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AUTOCARロードテスト90周年(2) 初のテスト車/現代ハイパーカー比べてみた

2018.12.15

100字サマリー

Autocarで初めてロードテストが行われたのは1928年のことであり、その記念すべき最初のモデルはオースチン・セブンでした。そして、2018年の現在、最新のロードテストモデルはマクラーレン・セナですが、今回は特別企画として90年の時を越えた比較試乗を行ってみました。

もくじ

最初のモデル 最新のモデル
そろ盤 vs コンピュータ
限界ははるか遠く
常に忙しいモデル
移動の自由 その共通点とは?
2台のスペック

最初のモデル 最新のモデル

1928年、AUTOCARは世界初のロードテストを行い記事にしたが、なぜ誰もそれまでこうした試みをしなかったのだろうか? 1928年当時、すでにわれわれが知っている自動車が世に出て40年以上が経過していたのだ。

19世紀、最初に登場した自動車は、莫大なコストを掛けて創り出された馬無しの馬車であり、勇敢なお金持ち向けのオモチャとして、ゴム製ではないタイヤと、レバー式ステアリングを持ち、エンジンを潤滑するオイルはタンクからエンジン内部を経由して、そのまま地面へと排出されていた。だが、すでにこうしたモデルには十分な注目が集まっており、1895年、ヘンリー・スターミーは「機械的な動力源で駆動する乗り物に関する雑誌を創刊」するだけの需要があると判断するに至ったのだ。それでも、AUTOCARが厳格な基準で実施する「ロードテスト」誕生まで、その後33年を要している。

ロードテスト誕生までに、自動車には大きな変化が起こっていた。ヘレフォードシャーで、愛らしい古のオースチン・セブンとともにその変化を見てみたいが、ここに突然の乱入者が現れることになる。


オースチンとAUTOCARの間にはふたつの共通点がある。ともに1928年生まれであり、90年前、このクルマは初のロードテストに参加しているが、さらに、かつてAUTOCAR編集長を務めたジョン・リリー所有のモデルでもある。

ゴードン・イングランド製サルーンボディが失われているという点では、当時ロードテストに参加した個体と完全に同じというわけではないものの、少なくとも個人的には、それが良かった。わたしにとってのセブンとは、オープンボディの4シーターモデルで、ヘッドライトがフロントではなく、ボディサイドに設置されている必要がある。モディファイを受けたセブンが多いなか、ジョンが所有するこの個体は完全にスタンダードな状態を維持しており、90年前の雰囲気を完ぺきに味わわせてくれる。

その時、唸り声を発しながら何かが近づいてきた。小さくシンプルで愛らしいオースチンと並ばずとも、何か世紀末やディストピア的未来を感じさせる何かだ。セナが姿を現した。

 
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