[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

中古のアウディR8 vs 新車のゴルフR 比較テスト 高級クォーツと機械式クロノ

2018.12.15

スペックはほぼ互角 シンプルさが心地よいモデル

ホットハッチの中でこのゴルフをいち押しするのは、なにもわたしだけではない。日常の足として1台所有するパウエルも(「言ってくれたらわたしのを使ってもらったのに」ともいう)、惚れ込みぶりは誰にも負けない。

さて、R8のほうはちょっと話が違ってくる。今さら引っぱり出さないほうがよかったかもしれない。取りまく世の中の状況もすっかり変わってしまったし、10年前にあれほど高性能で、アウディがはじめてつくったミドシップにしては奇跡的なほど楽しかったクルマも、今となってはちょっと時代遅れに見えてしまうかもしれないからだ。

たしかに、紙の上ではもはやそう特別とはいえない。420psのパワーもそうだし、0-100km/h加速の4.6秒という数字も、いまやゴルフと互角なのだ。


また、この10年でR8がどこまで上級移行したかもよくわかる。後輪駆動の限定車RWSはべつにして、最低で12万6200ポンド(1823万円)という現行R8の価格は、2007年当時の7万6825ポンド(1110万円)のほとんど5万ポンド(723万円)増しなのだ。インフレのせい―ではない。

価格設定にあたってぶつけた相手が当時はポルシェ911カレラ4S、いまは911ターボになっただけのことだ。パワーもそう。現行モデルは低出力版でも540psあるのだ。

まあ、それはさしあたりさほど気にならないと思う。運転席のまわりにあるものすべて、簡素で快いのだ。しっかりとレバーで操作するサイドブレーキ、シリンダーに挿すエンジンキー、3つのペダル、アナログ式のメーター。ステアリング上のボタンも最小限だ。

文句の付けようのない運転姿勢、ゴルフなみの全方向の視界のよさもミドシップ離れしている。4.2ℓのV8は滑らかに目覚めるし、操作系も現代のアウディなどよりはるかになじみやすいから、走りだすのに何の手ほどきもいらない。

 
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