【SVOの世界へ】ヴェラールSVAダイナミック、FペースSVR 英国で磨かれた理想のSUV

ロードテスト フォード・マスタング・ブリット ★★★★★★★★☆☆

2018.12.29

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

走り ★★★★★★★★☆☆

われわれがモデルチェンジ前のマスタングGTをテストしたのは、今からおよそ3年前。その時の印象としては、クルマの魅力の内、75%くらいは5.0ℓのV8エンジンがもたらすものだった。今回のマイナーチェンジにより、スタイリングがブラッシュアップされただけでなく、新しい独立懸架サスペンションを得たことで、ダイナミクス性能も大きく向上を果たしている。見た目にふさわしい走りとなったが、新しいブリットであっても、根本的な部分で大きな違いはない。

このクルマを運転することで得られる満足感の大部分は、依然エンジンが生み出すところが大きい。このクルマは、5万ポンド(725万円)クラスのモデルの中で最速というわけではないし、ターボチャージャーが生み出す、低回転域から常用できる豊かなトルクを備えているわけでもない。だが、この大排気量V8エンジンが生み出す盛大なノイズと、アクセルペダルに敏感に反応する荒々しさに気づくと、思わす笑みがこぼれてしまうはず。回転数の上昇とともにポテンシャルを発揮していく味わいは、今の時代非常に珍しいし、価値のある存在だ。

今回の体力測定では、マイナーチェンジ前と変わらない体重を備えながら、最大出力を10%ほどプラスさせた分だけ、運動能力の向上を示してくれている。2016年のテストと、今回とは、気温などのコンディション的にはほぼ同じ条件だった。

スペックシート上は、2018年のマスタング・ブリットの方が明らかに優れているものの、0-96km/hの加速ではマイナーチェンジ前のマスタングGTと同じ5.2秒を要した。48km/hから112km/h加速では、0.1秒だけ短い。

ブリットの場合、ドライブトレインを保護するかのような制御が入るローンチコントロールを用いないほうが、停止状態からの加速も鋭いようだ。クラッチは充分堅牢で、0km/hからの加速テストでも、重量のあるクランクシャフトからのエネルギーを、不足なく前進する駆動力へと橋渡ししてくれていた。

一方でトランスミッションの変速タッチはややざらついた、重みのあるもの。攻めて走っているときには、精巧なメカニズムが順番に入れ替わっていく心地よさがあり、フルードの温度が低い時はやや不快にも感じられる、微妙なところにある。

それにつけても、このエンジンだ。マイナーチェンジ前のレッドゾーンが6500rpmからだったのに対し、エアインダクションとソフトウエアを改めることで、7300rpmまで吹け上がるようにチューニング。アクティブ・エグゾーストシステムを最もうるさい状態にしても、我慢できないような音質でもなくなった。

低回転域でのドロドロとした低音と主な旋律自体は、従前のGTと大きな違いはないが、レッドゾーン手前の1500rpm辺りから音質が瑞々しくエネルギッシュなものに変化していく。紛れもない、高性能なV8エンジンならではの音響。他では味わえないサウンドに聞き惚れながらのドライブは完璧だと思う。

テストコース

マスタング・ブリットのサスペンションがもたらす引き締まったコントロール性は、非常に歓迎できる。それなりの車重を備えているが、荷重は前後左右のタイヤで、均一に支持されている印象がある。初期のアンダーステアから、オーバーステアへの変化も突然発生するものではなく、マイナーチェンジ前のマスタングGTと同様に、パワーを掛けていける。

変速時にエンジンの回転数を合わせてくれるレブマッチング機能は、サーキット走行でも邪魔に感じることはないし、オンのままで変速時のヒール&トゥも受け付けてくれる。減速時には、次のギアを選択するまで、ブリッピングされることはないのだ。

トラクションコントロールとスタビリティコントロールは、それぞれ個別にオン・オフを選択できるから、トラクションコントロールをオンにして、スタビリティコントロールをオフにすることで、セーフティネットを有効にしたまま、後輪駆動ならではのハンドリングを味わうことも可能。ドライビングモードでレースを選択すれば、すべての電子制御はオフにすることもできる。

スポーツモードに設定すれば、ダンパーの減衰力も上がり、T4やT5セクションでも、充分ボディは姿勢制御された状態を保てる。しかし、大きなボディマスもあり、繊細なコントロール性を備えているわけではない。T4のキツめのコーナーでは、スピードが速すぎるとアンダーステアが出てしまうが、コーナー出口に向けて、スロットルを踏み込んでのハンドリングバランスは素晴らしい。ステアリングフィールはやや薄味ながら、T7セクションのダウンヒルではフロントタイヤに荷重がかかり、充分な情報を感じ取ることはできた。

発進加速

フォード・マスタング・ブリット
テスト条件:湿潤/気温13℃
0-402m発進加速:13.6秒(到達速度:179.4km/h)
0-1000m発進加速:24.1秒(到達速度:231.9km/h)
48km/h-112km/h加速/4速:10.9秒

BMW M2(2016)
テスト条件:乾燥/気温16℃
0-402m発進加速:12.9秒(到達速度:179.4km/h)
0-1000m発進加速:23.4秒(到達速度:227.4km/h)
48km/h-112km/h加速/4速:5.8秒

制動距離

フォード・マスタング・ブリット
テスト条件:湿潤/気温13℃
97-0km/h制動時間:2.65秒

BMW M2(2016)
テスト条件:乾燥/気温16℃

 

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