ロードテスト フォード・マスタング・ブリット ★★★★★★★★☆☆

2018.12.29

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

乗り味 ★★★★★★★★☆☆

モデルライフの半ばに行われたマイナーチェンジと、ブリットという特別仕様を持ってしても、マスタングの英国の道での振る舞いは、課題がないわけでなない。ミラー間の全幅はディーゼルエンジンを搭載するボクソール(オペル)・イングニシアより広く、車重はほぼ同じ。そのどちらも、スポーツカーと定義するには、やや持て余す数字だ。ブリットだからといって、英国の道をスムーズに走れるほど、コンパクトに感じられることはない。

機敏で扱いやすいハンドリングは、軽量でコンパクトなボディを持つ、より自然体なクルマの方が身につけやすい。しかし、このマスタングが受けた改良によって、極めてポジティブな結果が得られてている。さらにいえば、3年前のトップグレードより遥かに好印象といえるだろう。いくらモデル中期にマイナーチェンジを受けたクルマでも、そう思えるモデルは多くはない。

まずはじめに触れておきたいのが、ブリッドの持つ柔軟性。ボディは間違いなく大きいが、一般道でもそのポテンシャルは充分に発揮できる。誤解を恐れずにいうなら、より純粋でハードコアなクルマのようにグリップし、操縦性も優れているといえる。

われわれのテスト車両はアダプティブダンパーを装備しており、高速道路ならノーマルのセッティングで十分に快適な乗り心地を披露してくれる。また様々な路面状況を交える一般道でも、2016年にテストしたマスタングより明らかに引き締まったボディコントロールと、落ち着きを備えている。

フォードが設定を改めた、コイルスプリングとアンチロールバーのセッティングは、高速コーナリング時の安定性を高めているだけでなく、より確かな横方向のグリップ力も生成している。路面状況に合わせてドライブモードを切り替え、サスペンションの設定を変更することで、ポルシェ718ケイマンSにも迫るような、流麗で柔軟な走りを味わうことも可能となる。サスペンションの減衰力を最大限に引き出しているのだろう。

さらにクルマの限界領域に迫っていくほど、グリップ力と落ち着きが増していき、標準のマスタングGT以上に楽しいドライビングが味わえる。タイヤの接地性も優れており、グリップの限界を迎えるまで漸進的に優れたコントロール性を披露してくれる。

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

 
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