試乗 レクサスLFA、デビュー当時の評価は 価格に見合う魅力あった? 回顧録

公開 : 2018.12.29 07:40

価格に見合っているか

このように高品質な作りと徹底した完全主義からLFAは紛れもなくレクサスのクルマであるとわかるのだが、そのコンセプトと目的は、これまでに存在したどのレクサスともトヨタとも違っているように思える。レクサスによれば、LFAの役割はFシリーズのクルマ(この時点ではIS Fのみ)にとっての後光のようなモデルとなることだそうだ。

そして実際のところ、LFAはどの量産車よりもはるかに真摯なクルマにでき上がっている。それは単に走りの性能においてだけでなく、クルマとしての純粋さにおいても同じだ。少人数の才能あるエンジニアたちのチームにより作られた作品であり、それは見ればすぐにわかる。

以上を踏まえたうえで、果たしてLFAは掲げられた価格に値するのか? こと動力性能に関しては、残念ながらノーと言わざるを得ない。既存のスーパーカーはいずれももっと強烈なパワーとストレートでの最高速度、それに(主観の問題だが)はるかに高級なブランドイメージを、格段に安い価格で提供している。

しかし、驚くほどに高いレベルの標準をめざして(おそらく天文学的なコストをかけて)開発されたテクノロジーが、LFAにはぎっしり詰め込まれていることに変わりはない。たとえば、トヨタはカーボンファイバーの品質を確保するため、自社の生産設備に投資している。LFAはわずか500台の限定生産なのだから、この価格でも1台売れるたびに損をするのは明白にもかかわらずだ。

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