海外試乗

2018.12.31

ロードテスト トヨタ・ヤリス(ヴィッツ)GRMN ★★★★★★★☆☆☆

トヨタ・ヤリス(ヴィッツ)GRMN

テスト日 : 2018年3月28日

価格 : 2万6295ポンド(381万円)

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

走り ★★★★★★★★☆☆

ターボによる過給が一般的なAセグメントのホットハッチにおいて、スーパーチャージャーで過給されるGRMNは他にはない個性を獲得している。しかし、ミニ・クーパーS 210ワークスやプジョー208 GTi 30thの最大トルクはともに30.4kg-mと、ヤリスGRMNの25.3kg-mを凌駕している。ヤリスの場合、豊かなパワー感を得るには、高回転域の5000rpmまでエンジンを回さなければならず、そのスイートスポットを維持するには、6速マニュアルを駆使する必要がある。

トランスミッションは滑らかで正確だから、変速を素早くこなすことも可能で、サーキットでの走行会を楽しむようなドライバーにとっては、濃密な愛おしい作業でもあるだろう。ヤリスのエンジンを高らかに回せば、ホットハッチのライバルとは異なる、独自のポジショニングを明確に実感できる。また、最大トルクが劣るからといって、コーナリングでのベストラインを保てないわけではない。

0-100km/h加速の体力測定では、ヤリスGRMNは6.4秒を記録した。プジョーより0.1秒速く、路面条件で不利だったミニとは、0.8秒も速い数字となる。48km/hから112km/hへの加速でも、ヤリスGRMNは5.4秒でこなしたのに対し、プジョーは5.8秒、プジョーは6.0秒を要している。

うまく操れれば、鋭い加速が得られるだけでなく、思わず聞き惚れてしまうエンジンサウンドも味わえる。荒々しく、調律の行き届いたエンジンではないが、エネルギッシュな音色は、このハードコアなヤリスの性格にぴったり。ターボエンジンのサウンドより遥かに魅力的だと思う。

しかし理想のライン取りは、一筋縄ではいかない。前輪駆動のライバルと比較すると、メカニカルグリップが不十分で、1速や2速でのスロットル操作には、やや繊細な対応が必要になる。ディスクブレーキは、フロントがベンチレーテッドディスクで、リアがソリッドディスク。フロントには対向4ポッドキャリパーも備わり、強力な制動力を発揮する。ブレーキペダルを踏み込めば、1135kgのボディを96km/hからわずか2.89秒で静止させることが可能。ちなみにこの数字も、ミニやプジョーより優れている。

テストコース

トヨタ・ヤリスGRMNを速く走らせるには、ライバル以上に予見的に、積極的にクルマを操る必要がある。コーナー進入時のギア選択が正しくなければ、コーナー出口でのギア選択や加速にまで大きく影響を及ぼしてしまう。ドライビングにはかなり熟練の技術が求められるクルマだといえる。しかもエンジンのスイートスポットを保つには、ヒール&トウでのブレーキングが求められるが、ペダルの間隔が広く、足首をだいぶ横にひねる必要がある。

フロントタイヤのグリップ限界を超えないように、このブレーキングと変速をこなしつつ、ステアリングを適切に切るスキルが試されるから、速く走らせるのはかなりチャレンジング。単純なクルマではないぶん、カーライフは間違いなく単調なものにならないだろう。

いつものミルブック自動車試験場の丘陵ルート。T2セクションはやや苦手だった印象。スムーズにコーナリングするには、かなりの技量を要する。過度にアクセルを踏みすぎると、コーナー出口でアンダーステアも露呈してしまう。サスペンションは硬く、段差を超えると車内に暴力的な振動を伝えてしまう。逆バンク状態のコーナーでは、ヤリスの重心高の高さから、神経を使わされる場面があった。

発進加速

トヨタ・ヤリス(ヴィッツ)GRMN
テストトラック条件:乾燥/気温9℃
0-402m発進加速:14.8秒(到達速度:158.3km/h)
0-1000m発進加速:27.9秒(到達速度:202.4km/h)
48km/h-112km/h加速/4速:10.6秒

プジョー208 GTi 30th(2015)
テストトラック条件:乾燥/気温3℃
0-402m発進加速:15.0秒(到達速度:154.6km/h)
0-1000m発進加速:27.1秒(到達速度:195.5km/h)
48km/h-112km/h加速/4速:8.1秒

制動距離

トヨタ・ヤリス(ヴィッツ)GRMN
テスト条件:乾燥/気温9℃
97-0km/h制動時間:2.89秒

プジョー208 GTi 30th(2015)
テスト条件:乾燥/気温3℃

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

 
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