公道はおまけ? サーキットマシン対決 M3 GTS対911 GT3 RS 回顧録

2019.01.03

全個体がオレンジに

BMWがGTSを造った由来を理解するためには、このクルマのモデルとなった初代E30型M3が築いた栄光の時代に立ち返る必要がある。そもそもカラーリング自体が、1970年代から80年代にかけてBMWが成し遂げた、欧州ツーリングカー選手権での伝説的な活躍へのオマージュなのだ。

当時のファクトリーカーのほとんどがドイツのリキュールメーカーであるイェーガーマイスターをスポンサーとしており、同社のコーポレートカラーである明るいオレンジに塗られていたのである。

そんな昔のことは憶えていないという方や、もしくは端的にこの色が気に入らないという方がいらっしゃるなら、それは誠に持ってお気の毒な話だ。BMWのMディビジョンが今後12カ月にわたってほぼ手作業で製造していく110台のGTSは、1台の例外もなくすべてこのオレンジを身にまとって登場する予定だからだ。

今回の試乗車は、量産車のなかでもごく初期のロットの1台で(その証拠にグローブボックス真上のカーボンファイバー製パネルには「002」のシリアル番号が打ってある)、しかもすでにロッド・スチュワートがオーナーになることに決まっている個体だ。

広報車としての仕事を終えたら再整備を受け、ちょうどクリスマスの頃、かの有名なセレブのもとに届けられる予定となっているのである。彼は2000万円超の新しいおもちゃをコレクションに加えて、果たして期待どおりと喜べるだろうか?

 
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