公道はおまけ? サーキットマシン対決 M3 GTS対911 GT3 RS 回顧録

2019.01.03

パワーアップと軽量化

もっとも、そういう背景を抜きにしても、GTSはクルマそれ自体としてさまざまな点でとても魅力的なのは間違いない。動かさずとも、昨年登場したトラディショナルなM3の性格はそのままに、スウェード巻きの豪華なステアリングホイールやサイドに「FIA Approved」と記された深いバケットシートなどを含む、超軽量化された質実剛健なインテリアが目にとまるはずだ。

また、通常モデルならリアシートが置かれているはずの空間には、フルロールケージが備え付けられている。なお、サイドウインドウはプラスティック製で、もたれかかったら割れてしまうから注意が必要だ。

V8エンジンも注目に値する。ストロークが延長されて4.4ℓとなり、8300rpmで450psを発生するようになっているが、GT3 RSとまったく同じ出力となったのは、おそらく偶然ではないだろう。トルクも43.8kg-m/3750rpmに強化されているから、通常モデルよりも低い回転域から強烈な駆動力を発生できるはずである。

こうしたモディファイに加え、欧州仕様車で75kgの軽量化を果たして1530kgとなった重量と、予想はつくだろうがシャシーにも加えられている絶妙なチューニングとを考え合わせれば、どう考えてもこのGTSは素晴らしいクルマに違いないと期待せずにはいられない。

そしてそれは確かに本当だ。ただし、同じことはGT3 RSにも言える。おそらく公道走行可能な911の歴史上、これが最高傑作と呼べるモデルであろうことに間違いはあるまい。

 
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