公道はおまけ? サーキットマシン対決 M3 GTS対911 GT3 RS 回顧録

2019.01.03

明らかにスパルタン

となると必然的に、ノーマルのM3に比べてどれほどGTSが優れていたとしても苦戦を強いられるはずで、そのうえBMWが価格をGT3 RSよりも300万円も高く設定しているのだから、さらにハードルは高い。

実際のところ、GTSが最高のドライビングマシーンのうちの一台であることは否定しない。走りに徹したかなり騒々しいクルマだが、伝統あるE30型M3からの血統を確かに感じさせてくれる。

ここ10年のあいだ、われわれのような高回転型エンジン好きが待ち望んでいたクルマであり、これに比べたらE46のM3 CSLでさえ、今一歩おとなしいクルマに感じられてしまう。そしてこの言葉だけで、GTSがどういうマシーンなのかについておおよそのところは察していただけるだろう。

乗り込んで周囲を見回すと、普通ならオーディオとエアコンのスイッチが並んでいるはずの場所がつるんとした一枚のプレートに置き換えられている以外、コクピットはお馴染みのM3と見た目はほとんど変わらないように感じられるかもしれない。

だが、よく見るといくつかのパーツがカーボンファイバー製に変更されていて、ドアもノーマルよりかなり軽量化されているのが開閉した瞬間にわかる。そして走り出せば、リアシートがない後部からは反響音がはっきりと聞こえてくる。あからさまにスパルタンな雰囲気がみなぎっており、その目的意識の明瞭さはGT3 RSのキャビンがわずかながら快適志向に感じられてしまうほどである。

 
最新試乗記

人気記事