[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

ロードテスト メルセデス-AMG CLS53 ★★★★★★★★☆☆

2019.01.03

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

乗り味 ★★★★★★★★☆☆

CLS53の一般道での挙動は、比較的乗り心地は柔らかく感じられるが、基本的にAMG的なもの。フルスペックな「63」モデルでも、エアサスペンションを搭載したモデルでも共通する、転がり抵抗を多少犠牲にしながらも確実な接地感を優先しているもの。

CLS53は、英国の典型的な路面状況を低速で走行していても、先代の63とは異なり、鋭い衝撃や細かな振動が車体に伝わってくる場面はぐっと少ない。路面の凹凸をスムーズにいなそうという意識が見て取れる。かといって、路面状況へ完全に左右されないというわけではない。ダンパーの設定を最も柔らかいモードにしていても、路面からの細かな振動までは処理できないようだ。毎日乗るのにうんざりさせられる程ではないのだけれど。

タウンスピードから速度を上げていくと、CLSの輝きは増していく。垂直方向のボディの動きと乗り心地の快適性は、エアスプリングを搭載したメルセデス・ベンツの特徴といえ、起伏の激しい路面でも印象的なまでに落ち着いている。AMGのエンブレムが付いていても、ラグジュアリーな4ドアクーペに期待するような、穏やかな乗り味を味わうことができる。

その結果、53は長距離走行もいとわないグランドツアラー的な仕上がりとなっている。高速道路を延々と走っていても疲労は少なく、それ以上に充分な楽しみさえ感じられる、アッファルターバッハが生んだクルマだけが持つ特別なものだ。

ステアリングの設定はクイックで、われわれが計測したロックトゥロックは2.4回転。CLSは積極的にノーズの向きを変えてくれるが、ポルシェ・パナメーラのように電動パワーステアリングからは豊かな情報が伝わてくるわけではない。

ボディサイズや車重を考えれば、充分なグリップは確保されており、コーナリング時のボディロールもしっかり抑制されている。しかし、快適性を高めながら、ハンドリングの洗練性も高次元で両立させるということは容易なことではない。限界付近まで攻め込んだり、ワインディングでポテンシャルを発揮させようとしても、期待するほどドライビングマシンとしての走りは得られないことはわかる。往々にして、大きなエンジンを搭載したAMG製のサルーンでは、共通したドライビングフィールではあるけれど。

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

 
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