[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

英国ラグジュアリーサルーン対決 ミュルザンヌ vs ゴースト 回顧録

2019.01.06

全く別のキャラクター

ミュルザンヌの全長はゴーストよりも175mm長いが、これは全長5.5mのクルマにとってはたいした違いにはならない。どちらのクルマも整備重量は2.5tに達し、4ドアのモノコックボディをエアサスペンションで支えている。

さらにツインターボ過給エンジンを搭載し、その排気量は7ℓ以内に納まっており、パワーとトルクの伝達にはZF製の新型8段トランスミッションを採用。しかしこれだけ共通点が多くてもキャラクターの面でまったく相容れないものがあり、それがお互いの差別化を図っている。

並べてみるとこの2台はスタイリングも大きく異なる。ミュルザンヌはそのスタンスとサイズにより、実に堂々とした押し出しの強さを感じる。基本的には一連のコンチネンタル・シリーズが先鞭を付けた現行世代のグリルとフロントのスタイリングを踏襲。

しかし太いリアピラーと今ひとつスタイルの明確でないボディは、ゴーストのより建築的で前衛的なスタイリングを前にすると少々保守的に思えてしまう。ゴーストの明快なラインと先細りのテーパーを付けたノーズとテールは、全長5.4mのクルマとは思えない驚くほどのデリカシーを感じさせるもので、またロールスの伝統的な「パンテオン」グリルに現代的な新解釈を施した表現も実に新鮮。これは傑作と呼ぶべきであろう。

 
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