長期テスト BMW 520d(最終回) 走りと燃費に優れた万能型サルーン

公開 : 2019.01.17 18:40

洗練のエンジン 優れたインフォテインメント

だが、5シリーズの走り自体は素晴らしいものだった。大型サルーンとは思えないレスポンスと節度感あるドライビングフィールが一体となり、どんな路面状況でも滑るような乗り心地を味わわせてくれた。

実際、動力性能における唯一ともいえる小さな不満は、このクルマにはBMWの四輪駆動システムであるxドライブが装備されていると思い、雪が積もるなかノースヨークシャーに住む家族に会うため520dを借り出した同僚からのものだけだったが、雪が降れば南へ向かえば良いのであり、トラクション不足を感じたことは一度もなかった。

かつて、BMWの4気筒ディーゼルでは騒音と冷間時の振動が気になったが、最新の520dが積むエンジンはスムースかつ静粛性にも優れ、例え予算内だったとしても、6気筒を積んだ530dを選ぶ必要性は感じられなかったほどであり、エンジン洗練度に関しては、このクルマの前に担当したボルボS90よりもはるかに520dのほうが優れていた。


さらに、インフォテインメントシステムを比較した場合、BMWとボルボの差はより大きなものとなる。S90のシステムは反応が遅く、ドライバーはいちいち目視しなければならないが、BMW最新のiDriveであれば操作ミスなど考えられない。

スクリーンはタッチ操作に敏感に反応し、停車時であれば瞬時に目的地入力を行うことができるとともに、ロータリーダイヤルやショートカットボタンによって、運転中であってもドライバーの注意力が削がれることはない。さらに、メニューは直感的な操作が可能であり、ボルボのようにイライラさせられることもなかった。

精緻に組み上げられた高級なインテリアといった、溢れる品質感も5シリーズの特徴であり、まだ小さな娘はどんなクルマに乗ってもすぐに寝付くとはいえ、11種類ものカラーから好みの室内照明を設定できる5シリーズはなかでも特別な1台だった。

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